法人カードを利用している経営者・個人事業主の中で、
「法人カードの限度額を増やしたい」
「より多くの店舗で使えるようにしたい」
といった考えを持っている人は、法人カードを複数枚持つのがおすすめです。
ところが、多数の法人カードが発行されているので、どのカードを2枚目に選べば良いかで迷うこともあるでしょう。
そこでこの記事では、法人カードを複数枚持つメリットや注意点、2枚目におすすめの法人カードについて詳しく解説していきます。
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法人カードを2枚以上の複数持つべき人はこんな人
結論から述べると、法人カードを2枚以上持った方が良いのは、以下に該当する人です。
どれか1つでも当てはまるのであれば、複数枚持つことを検討してみましょう。
複数枚もつことは良いことばかりではない…
なお、法人カードを複数枚持つことは良いことばかりではなく、以下のデメリットも挙げられます。
複数枚保有することのメリット・デメリットをよく理解して、2枚目以降を発行するかを判断することが大切です。
法人カードを複数枚所有する5つのメリット
法人カードを複数枚持っておけば、何らかの原因で1枚が使えなくなった場合でも代用が効くので便利です。
また、予備として使える理由以外にも、以下5つのメリットを得ることができます。
実質的な限度額が増えるので資金繰りを改善できる
クレジットカードには利用限度額が設定されているので、利用上限を超えて使うことはできません。
しかし、複数枚の法人カードを発行すれば2枚分の限度額まで決済できるので、カード全体の限度額を増やすことができます。
例えば、限度額100万円のカードを2枚発行すれば200万円、3枚発行すれば300万円といった具合です。
これにより、1枚のカードが限度額を迎えても2枚目以降のカードで対応できるので、資金繰りも楽になるでしょう。
使えるお店が増えてより便利にカード決済できる
クレジットカードにはVISAやJCBといった国際ブランドが付帯しており、各国際ブランドの加盟店で利用することができます。
国際ブランドはクレジットカード1枚に対して1種類しかつかないため、異なる国際ブランドのカードを保有することで、カードを利用できる店舗が増加します。
2枚分の付帯・優待サービスが利用可能
クレジットカードには様々な優待サービスがついているので、2枚保有すれば2枚分の優待サービスを使うことができます。
これらの優待サービスはカードごとに特徴が異なるので、1枚よりも2枚以上を保有した方がより多くのサービスを受けられるはずです。
追加カードやETCカードの所有枚数を増やせる
法人カードは従業員用のカードやETCカードを発行できるものが多いですが、枚数上限を設けているカードが多いため、追加カードを無限に発行できるわけではありません。
ところが、別の法人カードを発行すれば従業員用のカードやETCカードも追加発行できるため、会社全体でのカード枚数を増やすことができます。
1枚の法人カードだけでは従業員カードが不足する企業にとっては、法人カードを複数枚発行して従業員カードやETCカードの所有枚数を増やせるのは便利でしょう。
用途別に使い分けることで経理管理が楽になる
法人カードを複数枚保有して、用途別に使い分ければ経費の管理も楽になります。
例えば、「交通費専用のカード」「通信費など固定費専用のカード」「消耗品や雑費など細かい出費専用のカード」などのように使い分けが可能です。
用途別に使い分けるカードそれぞれでお得な特典がつくカードを選べば、複数枚保有するメリットをより感じられるはずです。
法人カードを複数枚所有した場合の注意点
法人カードを複数枚持つと以下の注意点があるので、申し込み前に把握しておきましょう。
年会費にかかるコストが増える
法人カードは年会費有料のカードが多いため、複数枚保有すれば年会費の負担も増えていきます。
もちろん法人カードの年会費は経費計上できるので、年会費の総額が高くなること自体はデメリットにはなりにくいです。
ただし、経営が安定しておらず支出そのものを抑えたい企業にとっては、年会費の負担が増えることは好ましくないでしょう。
管理の手間が増える
クレジットカードは、以下の理由から保有枚数が多くなるほど管理するのが大変になります。
もし管理を怠ると手間ばかりかかってしまい、法人カード発行の本来の目的である業務効率化を達成できません。
管理方法やカードの運用ルールをあらかじめ社内で決めておき、少ない手間で利用できる体制を作っておきましょう。
なお、管理の手間を少なくしたいからといって、カードの暗証番号を同じにすることはセキュリティ上のリスクが高いのでやめてください。
多重申し込みにより審査落ちのリスクがある
クレジットカードを短期間に複数枚申し込むと、お金に困っているという印象をカード会社に与えてしまい、審査で不利になるケースがあります。
特に経営状況が良くない企業の場合は疑われやすいので、カードを複数枚申し込む際には注意してください。
なお、クレジットカードの申し込みが信用情報機関に保管されるのは6ヶ月間なので、前回申し込みから6ヶ月以上空けると多重申し込みを疑われないはずです。
法人カードの2枚目を選ぶ際に見るべき5つのポイント
法人カードの複数枚保有にはメリット・デメリットそれぞれありますが、2枚目以降を選ぶ際には以下のポイントを重視しましょう。
ポイント①:限度額の希望増設枠
法人カードを複数枚発行して限度額を実質的に増やしたい場合は、1枚目とは異なるカード会社のカードを選びましょう。
1枚目と同じカード会社で発行すると1枚目との合算で限度額が設定されるため、複数枚発行しても限度額は増えません。
具体例を挙げると下表の通りです。
法人カードの組み合わせの例 | 限度額の増加 |
---|---|
JCB CARD Biz 一般・JCB法人カード (JCBが発行するカードを複数保有) | 限度額は増えない(合算される) |
JCB CARD Biz 一般・三井住友カード ビジネスオーナーズ (JCB発行と三井住友カード発行を1枚ずつ) | 限度額は増える(合算されない) |
なお、会員それぞれに設定される限度額は審査により決定されるので、カード会社からの信用をそこまで得られない場合は、限度額が低めに抑えられる可能性があります。
例えば、利用上限100万円のカードは全員が100万円まで使えるわけではなく、審査により個別の利用上限が50万円と決められたら、50万円がその人の限度額となります。
ポイント②:国際ブランドの被り
クレジットカードの国際ブランドは、1枚目と異なるものを選んで多くの店舗でカード決済できるようにするのがおすすめです。
特に1枚目にJCBブランドを選んでいる場合は海外では使えない可能性があるので、JCB以外のブランドで発行しましょう。
世界的なシェア率が高く、国内・海外問わず利用しやすいVISAまたはMastercardブランドがおすすめです。
ポイント③:年間のカード維持費
年会費有料が多い法人カードですが、中には年会費が無料のカードもあります。
複数枚の法人カードを保有する場合、年会費無料カードも含めることでカード全体の維持コストを抑えられます。
特にゴールドカード・プラチナカードなど年会費が高い上位カードを保有しているのであれば、2枚目以降は年会費無料カードにするのがおすすめです。
ポイント④:付帯サービスの違い(保険・空港ラウンジなど)
クレジットカードには特典として保険などの付帯サービスがついていますが、同じような付帯サービスがついたカードを選ぶと特典が被ってしまいます。
すでに保有しているカードにはない特典が付帯するカードを選べば、より多くの特典が手に入るのでお得です。
1枚目とは異なるカードランクで発行すると、特典が被りにくいのでおすすめです。
カードランク | 主な特典 |
---|---|
一般カード | ポイント還元、優待店での割引など |
ゴールドカード | 上記+空港ラウンジサービス、旅行傷害保険など |
プラチナカード | 上記+コンシェルジュサービスなど |
1枚はゴールドあるいはプラチナカードで豪華特典を付帯させ、もう1枚は業務でお得になる優待に特化した一般カードを選ぶと、特典を無駄なく活用できるはずです。
ポイント⑤:既存会計システムとの連携可否
クレジットカードが会社で導入している会計システムと連携できるかも重要です。
連携できるクレジットカードなら、カード利用分がシステムに自動入力されるので会計処理が簡単になります。
一方、連携できない場合は手入力で会計ソフトに登録しなければならず、手間がかかるうえに入力ミスや入力忘れをする可能性も出てきます。
法人カードを使って業務効率化を実現するためには、会計システムとの連動は必須ともいえるでしょう。
2枚目におすすめの法人カード3選
2枚目の法人カードを選ぶポイントを踏まえて、おすすめの法人カードを3枚紹介します。
JCB CARD Biz 一般
年会費(税込) | 1,375円(初年度無料) |
利用限度額 | 100万円 |
ポイント還元率 | 0.5% |
付帯保険 | 海外・国内旅行傷害保険(最高3,000万円) ショッピングガード保険(海外のみ・年間最高100万円) |
追加カード | ETCカード |
国際ブランド | JCB |
主な特典 | 会計ソフト連携 |
申込対象者 | 満18歳以上の法人代表者、個人事業主 |
JCB CARD Biz(一般)は、カードブランドであるJCBが発行しているJCBプロパーの法人カードです。
法人カードですが登記簿謄本などの法人確認書類の提出が不要のため、スムーズに申し込みできるのが特徴。
引き落とし口座が個人名義の口座なら、最短5分でカード番号を発行してバーチャルカードとして利用できるのもメリットです。
弥生会計やfreeeなどの主要会計ソフトとの連携もできるので、会計処理も簡単に行えるでしょう。
\個人事業主でも審査可能!/
JCB CARD Biz(一般)
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マネーフォワードビジネスカード
年会費(税込) | 無料 ※リアルカードは2枚目以降990円の発行手数料あり |
利用限度額 | 1回あたり1億円 |
ポイント還元率 | 1.0〜3.0% |
付帯保険 | ー |
追加カード | リアルカード、バーチャルカード |
国際ブランド | VISA |
主な特典 | 会計ソフト連携、バックオフィスサービスなど |
申込対象者 | 満20歳以上の法人代表者、個人事業主 |
マネーフォワードビジネスカードは、会計ソフトのマネーフォワード利用者におすすめの年会費永年無料の法人カードです。
マネーフォワードとリアルタイムで連携できるうえ、関連サービスは利用額の3.0%がポイント還元されてお得です。
また、決済上限は1回あたり最大1億円なので、高額決済にも対応できるのも安心でしょう。
加えて追加カードは枚数無制限で発行できるので、従業員1人ずつに持たせる場合にも適しています。
\経理管理が楽になる/
MFビジネスカード
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オリコ EX Gold for Biz
年会費(税込) | 2,200円(初年度無料) |
利用限度額 | 300万円 |
ポイント還元率 | 0.6% |
付帯保険 | 海外・国内旅行傷害保険(最高2,000万円) ショッピングガード保険(年間最高100万円) |
追加カード | メンバーカード(Mのみ、最大3枚)、ETCカード |
国際ブランド | VISA、Mastercard |
主な特典 | 会計ソフト連携、空港ラウンジサービス、福利厚生サービス |
申込対象者 | 法人代表者(M)、個人事業主(S) |
オリコ EX Gold for Bizはコスパ抜群の法人ゴールドカードです。
法人向けのMカードと個人事業主向けのSカードがありますがスペックはほぼ同等で、法人向けのMカードは従業員に追加カードを発行できるのが主な違いです。
カードの年会費は初年度無料で2年目以降も2,200円(税込)と安く、一般的なゴールドカードと同じく空港ラウンジ利用の特典などもついています。
国際ブランドもVISA・Mastercardから選べるので海外でも問題なく使えるうえ、VISAまたはMastercardのゴールド優待サービスも受けることができます。
\初めてや2枚目のカードにもおすすめ/
EX Gold for Biz
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まとめ
今回は、法人カードを複数枚持つ場合のメリットや注意点、 2枚目におすすめのカードについて解説してきました。
複数枚の法人カードをうまく管理できれば、1枚利用時よりも業務の効率化を図れるはずです。
もし今使っている法人カードだけでは不便を感じる人は、この記事で紹介した選び方を参考にして2枚目の法人カードを発行しましょう。