ビジネスローンは会社の経営者が使える1つの融資です。
公的融資や銀行融資よりも融資審査が早く、無担保・無保証で申し込みができる特徴があります。
ただし、「開業資金」としても利用する場合は、審査が通りにくい傾向があります。
またビジネスローンは金利が6〜18%と高く、開業したばかりで収益が不安定な場合はビジネスローンはおすすめできません。
この記事ではそれでも開業資金にビジネスローンを利用したい人に向けて、比較的金利が低く、審査が通りやすいビジネスローンができる会社を紹介します。
他にも、開業資金を集める際にまず試すべき方法も解説しているので、ぜひ、最後までご覧ください。
ビジネスローンが開業資金におすすめできない2つの理由
開業資金としてビジネスローンを借りることはおすすめできません。
その理由は以下の通りです。
- 審査に通りにくい
- 金利が最大18%と高い
ひとつずつ詳しく解説します。
審査に通りにくい
開業資金の資金調達にビジネスローンを使うことはできないことが多いです。
その理由は多くのビジネスローンが「1年以上のビジネス経験」を条件としているからです。
そのため、ビジネスローンの審査に通らないことが大半になります。
ただし、事業計画書を通して「事業の持続性や継続性」や「事業の収益性と返済能力」が認められた場合は審査に通る可能性もあります。
金利が最大18%と高い
ビジネスローンは公庫や銀行の融資に比べて金利が高い傾向があります。
ローン比較表 |
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金融機関 | 金利 | 返済期間 | 最大借入可能金額 |
日本政策金融公庫 | 0.9%~2% | 2年以内 | 7200万円 |
銀行 | 3%~15% | 5年 | 1億円 |
ビジネスローン | 6%~18% | 5-10年 | 500万円 |
開業資金はなにかとお金もかかりますが、収益が安定していない場合はビジネスローンはおすすめできません。
しかし、融資スピードが早く、使い道に制限がない特徴もあるため、一時的に資金が必要な場合は検討してもいいでしょう。
「それでも..」開業資金にできるビジネスローン2選
この章では、開業資金としてもビジネスローンを借りれる可能性がある会社を2社紹介します。
AGビジネスサポート
AGビジネスサポートのビジネスローンは以下の特徴があります。
- 審査の翌日には融資が可能
- 融資額が50~1000万と幅広い
- 金利が3.1%からと低い
法人の場合は「本人確認書類と決算書」
個人事業主の場合は「本人確認書類と確定申告書・事業内容確認書」
が必要になります。
\担保・保証人原則不要!/
AGビジネスサポート
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クレディセゾン
クレディセゾンのビジネスローンは以下の特徴があります。
- ビジネスローンでは低金利の6.74%
- 土日祝・夜間・何度でも入出金手数料無料
- 振込速度は最短数十秒
現在は新規契約・利用で最大2か月分の利息が不要。
初めてのビジネスローンを利用する人には最適です。
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開業資金の調達でおすすめしたい5つの方法
開業時はビジネスローンを検討する前に以下の5つの方法を検討すべきです。
- 日本政策金融公庫(日本公庫)
- 補助金、助成金
- 銀行融資
- ベンチャーキャピタル
- クラウドファンディング
どの方法も振込まで最低1週間から長くて1か月ほど、審査手続きがありますが、低金利で資金を集めることが可能です。
ひとつずつ解説します。
1、日本政策金融公庫(日本公庫)
日本政策金融公庫は政府出資の金融機関です。
さまざまな融資サービスを提供しています。そのなかでも開業者に向けた融資は「国民生活事業」の一環として運営されています。
なかでも開業資金に利用できる代表的な手段が「新規開業資金」です。
新規開業資金
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この制度は、開業前の資金調達を目的としています。
そのため、借入までの条件のハードルが低く利用しやすい特性があります。
将来開業を計画している人が日本政策金融公庫から融資を受ける際には、新規開業資金が最もおすすめできる選択肢です。
2、補助金と助成金
補助金と助成金は、開業資金に利用できます。
返済不要で現金支給されるため対象の補助金と助成金があれば必ず利用しましょう。
助成金:条件を満たせば申請可能。比較的少額支給。 補助金:条件を満たしても支給されない場合が多い。利用時期も制限されることが多い。 ※代表的な補助金・助成金には、事業承継補助金(事業承継やM&Aをした中小企業や個人事業主向け)、小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区の小規模事業者向け)、地域中小企業応援ファンド(中小企業や農林漁業者の連携体向け)があります。 |
ただし、どちらの制度もすでに支払っているものが対象になります。
そのため、補助金や助成金は開業資金でかかる費用を一部負担してくれる制度を認識しておきましょう。
関連記事:【補助金・助成金】個人がもらえる22の資金調達法と4つのリスク
3、銀行融資
開業資金を集める手段のひとつは銀行からの融資です。
ただし、銀行は起業したてであったり、収益性が見込めない会社への融資には消極的な傾向があります。
特に大手銀行で新規事業や設立時期が浅い人の借り入れが難しい反面、ネット銀行は比較的審査が通りやすい傾向があります。
4、ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタル(VC)は未上場の将来性のある企業に出資する投資組合です。
ベンチャーキャピタルは投資のため、返済は不要になります。
ただし、経営に関与されるため経営に制限がかかる可能性があります。
会社を大きくするためには、最適な選択ですが、自由な経営スタイルを望む場合はおすすめできません。
関連記事:【ベンチャーキャピタル】資金調達の実態!3つのメリットと注意点
5、クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上で多くの人から資金を集める手法です。
有名どころではMAKUAKEやREADYFOR、 CAMPFIREなどがあります。
仕組みとしては、事業案を持っている起業者が必要な資金を集め、実現した場合に出資した人にリターン(完成した商品など)を還元します。
これにより、事業案に賛同する多くの人から資金を集めることができます。
関連記事:【クラウドファンディング】今日から投資家デビュー!やり方を解説
開業資金を用意する人が絶対にやっておくべき5つのこと
開業資金を確保するためには、以下の重要なステップがあります。
- ビジネスプランの作成
- 投資家や資金提供者とのネットワーキング
- 効果的なピッチ作成
- 資金調達方法の選択
- コスト削減と収益最大化
ビジネスプランを練っていくことで融資を受けやすくなるだけでなく、自分自身でもビジネスプランを具体的に落とし込むことができ失敗する確率を確実に減らすことができます。
ひとつずつ解説します。
ビジネスプランの作成
ビジネスプランの作成は自分自身の事業に対する理解と資金調達をする際に必要で、重要性はかなり高くなります。
ビジネスプランの作成は以下のステップを意識して作成しましょう。
- アイデアの整理: アイデアを具体化し、事業の目的やターゲットを明確にします。
- 市場調査: 市場の動向や競合情報を把握し、事業の独自性を確認します。
- 事業内容の詳細: 商品やサービスの特徴、提供方法、マーケティング戦略を明確に定義します。
- 財務計画: 収支予測や資金調達方法を具体化し、リスク分析も含めた資金計画を立てます。
・実行計画とスケジュール: 具体的なスケジュールや実行段階でのタスク分担を明示し、達成目標を設定します。
ビジネスプランは起業における道筋であり、資金調達や事業展開の計画を描く際の基盤となります。正確で具体的なプランは、成功への道を拓く重要なステップとなります。
投資家や資金提供者とのネットワーキング
投資家や資金提供者とのネットワーキングは、成功の鍵です。
- 人脈構築: イベントやコミュニティへの参加、SNSなどを通じた交流で関係性を築くことが重要です。
- 相互理解の構築: 資金提供者との対話を通じて、相手のニーズや期待を理解しましょう。
- 価値提供: 自身のビジネスの魅力や成長戦略を明確に示し、相手に価値を提供することがポイントです。
- 信頼構築: 長期的な関係を築くために、信頼性やビジネスの透明性を示すことが必要です。
投資家や資金提供者とのネットワーキングは、資金調達のみならず、専門知識やビジネス展開におけるサポートも得られる重要なステップです。
コミュニケーションや相互理解・自身の事業のアピールを通じて、持続的な関係性を構築することが成功への近道です。
効果的なピッチ作成
効果的なピッチは投資家や金融機関から資金調達をする際に、簡潔に事業を説明できる練習にもなります。
効果的なピッチ作成は以下のポイントを抑えることが重要です。
- 核心の明確化: 要点を簡潔かつ明確に伝えることが重要です。聞き手に興味を引く核心を押さえましょう。
- ストーリーテリング: 情熱やビジョンをストーリーに沿って伝えることで、情感的なつながりを作り出します。
- 適切な情報量: 短い時間で効果的な伝達を目指し、1分間に約300文字が目安です。
- アピールポイントの強調: 自社の独自性や価値提案を明確に伝え、聞き手の関心を引きます。
- 練習とフィードバック: 実際に練習し、フィードバックを受けながら改善を重ねましょう。
ピッチ作成は短時間で相手にビジネスの魅力を伝える重要なスキルです。要点を絞り込み、情熱や魅力をストーリーに盛り込むことで、印象的なピッチを実現できます。
資金調達方法の選択
資金調達の方法はたくさんあります。そのなかであなたの事業に合った資金調達をすることが重要です。
下記の資金調達方法を選択する際に重要な点を確認しましょう。
- 融資と出資の違い: 融資は返済が伴う借入であり、出資は資金提供者が事業に出資し、返済が不要です。この違いを理解し、事業のニーズに合った選択を行います。
- 金融機関からの融資: 銀行や信用金庫からの融資は一般的です。返済計画や担保の有無などを考慮し、適切な融資条件を探します。
- 投資家からの出資: ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資は、事業拡大や新規プロジェクトへの資金提供を可能にします。自己資本比率の維持と共に、経営への影響も検討します。
- 公的機関からの支援: 日本政策金融公庫や自治体からの支援は、低金利や補助金などの形で事業資金を提供しています。
- 個人資産や親族からの出資: 自己資金や親族からの援助は返済の負担が軽減されますが、リスクを考慮し計画的に行います。
選択する際は、事業の成長計画やリスクを検討し、適切な資金調達方法を選びます。
コスト削減と収益最大化
開業のために資金調達できても継続して事業ができなければ意味がありません。事業は「コストの削減」と「収益最大化」が重要です。
開業時にコスト削減と収益最大化するために必要なポイントは以下の通りです。
- リースやレンタル: 機器や店舗のリースやレンタルは初期費用を軽減し、資金を効果的に利用します。
- 効果的な設備購入: 中古設備の利用やコストパフォーマンスの高い機器を選択することで、設備投資を最小限に抑えます。
- 人件費の最適化: 経営に必要な人員を最小限に抑えつつ、効率的な業務遂行を図ります。
- 販売戦略の最適化: 顧客ニーズに合わせた効果的な販売戦略を採用し、売上を最大化します。
- 補助金や助成金の活用: 開業補助金や助成金を活用して、開業費用を軽減することが可能です。
- 事業計画の詳細な検討: 費用対効果を考慮した事業計画の策定は、コストを見直し収益を最適化するために重要です。
これらの戦略を組み合わせて、コストを削減しつつ収益を最大化することが可能です。
よくある質問
この章ではビジネスローンを借りたい開業前の人からよく受ける質問を紹介します。
そもそもビジネスローンとは?
ビジネスローンは、事業を始めるための資金を借りることです。
一般的には、銀行や金融機関が提供しており、設備、経費の支払いなど、事業に必要な資金を用意するために利用されます。
ビジネスローンは金利が高い場合や、担保や保証人を求められることもあります。
そのため開業資金には不向きであり、借入金額や返済期間、返済条件などを慎重に検討することが重要です。
開業資金はいくらまで借りられる?
開業資金を借りる限度額は、日本政策金融公庫の「新規開業資金」では最大7,200万円まで可能です。
ただし、開業資金を借りる場合は、事業計画や必要な資金額、返済能力などを考慮した上で、金融機関や公的機関の制度を確認することが重要です。
公的機関のサイトや担当者に相談することで、詳細な情報を得ることができます。
まとめ:開業資金としてビジネスローンはおすすめできない
この記事では開業資金で使えるビジネスローンについて解説しました。
結論、開業資金としてビジネスローンはおすすめできません。その理由は
・金利が高い
・開業資金として審査が通りにくい
実際、「AGビジネスサポート」や「クレディセゾン」は比較的低金利で開業資金としても借り入れることも可能。
しかし、開業の資金集めには、低金利で借りれる日本政策金融公庫(日本公庫)の「新規開業資金」がおすすめです。
金利が安い分、事業計画書を徹底的に作る必要がありますが、事業を成功させるためには必要なことです。
ぜひ検討してみてください。