新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)感染拡大の影響で、大きな被害を受けている…。
上記のように、今後の経営が不安と感じているのではありませんか?
すぐにでも資金を確保し、コロナウイルス終息後に向けて体制を整えなおしたいですよね。
日本政策金融公庫では、新たな融資制度「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を提供しています。主な対象要件は「コロナウイルスによって影響を受けている者」です。実質無利子で借入することができ、見逃せない内容となっています。
今回は、新型コロナウイルス感染症特別貸付について詳しく解説していきましょう。
1:【新型コロナウイルス感染症特別貸付】概要と対象要件
日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付について詳しく知りたい。
日本政策金融公庫が発表した新たな融資制度は、コロナウイルス感染拡大によって影響を受けている事業者が利用できるという内容です。通常でも金利の低い日本政策金融公庫だが、本融資制度は更に要件等が緩和されています。
- 国民生活事業※1
- 中小企業事業※2
上記2つの事業別に、主な概要と対象要件について紹介していきましょう。
※1:小規模企業や個人事業主等を対象とした融資制度
※2:資本金1,000万円以上の中小企業を対象とした融資制度
1-1:<国民生活事業>融資の概要と対象要件
国民生活事業に該当する事業者向けの新型コロナウイルス感染症特別貸付について紹介していきます。
主な対象要件は、以下aまたはbのいずれかに当てはまり中長期的に業況が回復・発展する見込みがあることが条件です。
- a.直近1ヵ月の売上高が前年or前々年の同期と比較し、25%以上減少していること。
- b.業歴3ヶ月以上1年未満の場合、直近1ヵ月の売上高が下記①②③のいずれかと比較し25%以上減少していること。
- ① 過去3ヶ月の平均売上高
- ② 令和元年12月の売上高
- ③ 令和元年10月~12月の平均売上高
上記aまたはbに概要していることが、融資を受ける条件となります。
新型コロナウイルス感染症特別貸付(国民生活事業)の概要は、以下の表をご覧ください。
限度額 | 6,000万円 |
利率 | 基準利率※ |
担保 | 無担保 |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内) 運転資金:15年以内(うち据置期間5年以内) |
使いみち | コロナウイルスに伴う社会的要因等により必要となる設備資金および運転資金 |
※ 基準利率だが、3,000万円までを限度額として融資後3年目までは-0.9%とする。4年目以降は基準利率。
1-2:<中小企業事業>融資の概要と対象要件
中小企業事業に該当する事業者向けの新型コロナウイルス感染症特別貸付について紹介していきます。
主な対象要件は、コロナウイルスを影響を受け、以下aとbに当てはまることが条件です。
- a. 直近1ヵ月の売上高が前年または前々年同期と比較し5%以上減少
- b. 中長期的に業況が回復・発展する見込みがある
中小企業は、上記2つの要件に該当する必要があります。
新型コロナウイルス感染症特別貸付(中小企業事業)の概要は、以下の表をご覧ください。
限度額 | 直接貸付3億円 |
利率 | 基準利率※ |
担保 | 無担保 |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内) 運転資金:15年以内(うち据置期間5年以内) |
使いみち | コロナウイルスに伴う社会的要因等により必要となる設備資金および長期運転資金 |
※ 基準利率だが、1億円までを限度額として融資後3年目までは-0.9%とする。4年目以降は基準利率。
2:【申込の状況別】必要書類一覧
新型コロナウイルス感染症特別貸付へ申込をしたいが、必要となる書類は何だろう?
十分な資金確保をしている日本政策金融公庫であっても、いち早く申込をしたいとお感じになるでしょう。スムーズに融資実行まで進めるためには、必要書類を事前に確認・準備しておく必要があります。
今回は、日本政策金融公庫への申込状況別に必要となる書類を紹介していきましょう。
【中小企業事業】
- はじめて利用する場合(中小企業事業_法人)
- 利用した事がある場合(中小企業事業_法人)
- はじめて利用する場合(中小企業事業_個人)
- 利用した事がある場合(中小企業事業_個人)
【国民生活事業】
- はじめて利用する場合(国民生活事業_法人)
- 利用した事がある場合(国民生活事業_法人)
- はじめて利用する場合(国民生活事業_個人)
- 利用した事がある場合(国民生活事業_個人)
ご自身の状況に合わせて、必要となる書類を確認してください。
2-1:はじめて利用する場合(中小企業事業_法人)
日本政策金融公庫の中小企業事業をはじめて利用する場合の必要書類を紹介します。
- ① 借入申込書
- ② 法人の登記事項証明書
- ③ 代表者個人の印鑑証明書
- ④ 納税証明書
- ⑤ 直近3期分の税務申告書・決算書
- ⑥ 直近の売上高が把握できる資料
はじめて中小企業事業の融資制度を利用する場合は、上記6つの書類が必要です。
この他にも追加資料の提出を求められる場合があります。
- ※ 設備資金の申込時には、見積書も提出が必要
- ※ 決算月から6か月以上経過している場合、試算表等の資料提出が必要
参考:【中小企業事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-2:利用した事がある場合(中小企業事業_法人)
日本政策金融公庫の中小企業事業を、すでに利用したことがある場合の必要書類を紹介します。
- ① 借入申込書
- ② 直近3ヶ月の税務申告書・決算書
- ③ 直近の売上高が把握できる資料
すでに中小企業事業を利用したことがある法人の場合には、上記3つの書類が必要です。
- ※ 設備資金の申込時には、見積書も提出が必要
- ※ 決算月から6か月以上経過している場合、試算表等の資料提出が必要
参考:【中小企業事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-3:はじめて利用する場合(中小企業事業_個人)
日本政策金融公庫の中小企業事業を、個人事業主が利用する場合の必要書類を紹介します。
- ① 借入申込書
- ② 印鑑証明書
- ④ 納税証明書
- ⑤ 直近3期分の申告決算書
- ⑥ 直近の売上高が把握できる資料
個人事業主が中小企業事業をはじめて利用する場合には、上記6つの書類が必要です。
- ※ 設備資金の申込時には、見積書も提出が必要
- ※ 決算月から6か月以上経過している場合、試算表等の資料提出が必要
参考:【中小企業事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-4:利用した事がある場合(中小企業事業_個人)
日本政策金融公庫の中小企業事業を、個人事業主ですでに利用したことがある場合の必要書類を紹介します。
- ① 借入申込書
- ② 直近3ヶ月の申告決算書
- ③ 直近の売上高が把握できる資料
すでに中小企業事業を利用したことがある個人事業主の場合には、上記3つの書類が必要です。
- ※ 設備資金の申込時には、見積書も提出が必要
- ※ 決算月から6か月以上経過している場合、試算表等の資料提出が必要
参考:【中小企業事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-5:はじめて利用する場合(国民生活事業_法人)
日本政策金融公庫の国民生活事業を、法人ではじめて利用する場合の必要書類を紹介します。
借入申込書 | 記入例 |
コロナウイルスの影響による売上減少申告書 | 記入例 |
直近2期分の確定申告書・決算書コピー | – |
履歴事項全部証明書または登記簿謄本 | – |
商売の概要※ | – |
創業計画書 | 記入例 |
※ 創業計画書を提出する場合は不要
参考:【国民生活事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-6:利用した事がある場合(国民生活事業_法人)
日本政策金融公庫の国民生活事業を、法人ですでに利用したことがある場合の必要書類を紹介します。
借入申込書 | 記入例 |
コロナウイルスの影響による売上減少申告書 | 記入例 |
直近2期分の確定申告書・決算書コピー | – |
参考:【国民生活事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-7:はじめて利用する場合(国民生活事業_個人)
日本政策金融公庫の国民生活事業を、個人ではじめて利用する場合の必要書類を紹介します。
借入申込書 | 記入例 |
コロナウイルスの影響による売上減少申告書 | 記入例 |
直近2期分の確定申告書一式コピー | – |
商売の概要※1 | – |
創業計画書※2 | 記入例 |
- ※1:創業計画書を提出する場合は不要
- ※2:創業間もない場合のみ必要
参考:【国民生活事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
2-8:利用した事がある場合(国民生活事業_個人)
日本政策金融公庫の国民生活事業を、個人ですでに利用したことがある場合の必要書類を紹介します。
借入申込書 | 記入例 |
コロナウイルスの影響による売上減少申告書 | 記入例 |
直近2期分の確定申告書一式コピー | – |
参考:【国民生活事業】「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のお申込時にご提出いただく書類|日本政策金融公庫
3:実質無利子で借りられる!概要と条件
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、実質的に無利子で借入することが可能です。
無利子で融資が受けられるなんて、事業主からして見ればめったにない大チャンスでしょう。
なぜ実質的に無利子で融資が受けられるのか、概要と適用条件ごとに詳しく紹介していきます。
3-1:概要
新型コロナウイルス感染症特別貸付を無利子で受けられる!
一定の要件を満たせば、融資実行後の3年間は無利子で実質的に融資を受けることが可能です。
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、国民生活事業3,000万円・中小企業事業1億円を上限として、災害発生時の融資制度に使われる基準利率から-0.9%をした利率が適用されます。
融資実行後、利息を含めて一旦は返済を実行するが後日利息分については、日本政策金融公庫から返済してもらうことができるのです。なぜなら、国によって特別利子補給制度が設けられており、利子補給してもらうことで3年間は利子が実質的に無料となります。
融資実行後、利子を含めて返済する必要がありますが、後から利子分が返ってくるため借り手側はオトクに融資を受けることが可能です。
3-2:適用条件
実質無利子で新型コロナウイルス感染症特別貸付を借入するためには、条件があります。
下記の表をご覧ください。
個人事業主 | 法人 | |
小規模事業者※1 | なし | 売上高15%以上※3 |
中小企業者※2 | 売上高20%以上※3 |
- ※1:卸・小売業・サービス業「常時使用する従業員5名以下の企業」他業者は20名以下の企業
- ※2:小規模事業者以外の中小企業を指す
- ※3:新型コロナウイルス感染症特別貸付で確認する直近1ヵ月の売上高に加え、その後2ヵ月間を含めた3ヶ月間の中でいずれかの1ヵ月で比較
まとめ
新型コロナウイルス感染症特別貸付について詳しく紹介してきました。
コロナウイルスによる影響で、業況が悪化しているのであれば早めの申込がおすすめです。
一般の融資制度よりも、さらに緩和された条件で日本政策金融公庫からお金を借りることができます。
ぜひ参考にしてみてください。