ファクタリングとビジネスローンの違いが知りたい!
上記のように、どちらの方法で資金を調達するかお悩みではありませんか?
ファクタリングとビジネスローンは、全く別の資金調達方法です。
どちらも資金調達する手段である事に変わりはありませんが、ご自身の状況によって利用すべき方法が異なります。
主な違いを、最初にお伝えしましょう。
- ビジネスローン:【借入である】長期的な資金繰り改善を検討
- ファクタリング:【借入ではない】短期的な資金繰り、急ぎの資金調達
今回は、ファクタリングとビジネスローンの違いについて紹介していきましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
1:ファクタリングとビジネスローン!7つの違い【比較表】
ファクタリング | ビジネスローン | |
対応可能金額 | 数十万円~数億円 | ~1000万円 |
資金調達にかかる費用 | 買取手数料 司法書士報酬 登録免許税 出張費 |
事務取扱手数料 印紙代 損保関連費用 割引手形取引手数料 金利 |
審査基準 | 売掛先の信用重視 決算が悪くても柔軟審査可能 |
債務内容重視 赤字債務超過企業の審査は厳しめ |
取引先への通知 | 2社間:原則無し 3社間:あり |
なし |
返済期間 | 1~2カ月 | 1カ月~10年 |
支払い方法 | 期日一括 | 分割 期日一括 残高スライド |
追加資金・調達 | 売掛金があれば検討可能 | 場合による |
担保 | 不要 | 不要 |
保証人 | 不要 | 第三者保証人不要 |
ビジネスローンとファクタリングの違いを比較したい!
上記のように、お考えであれば上記の表をご覧ください。
どのように違うのか細かく知りたいという場合のために、7つの違いを紹介します。
- ①対応可能な金額
- ②スピード
- ③金利(手数料)
- ④資金調達コスト
- ⑤審査基準
- ⑥取引先への通知
- ⑦返済期間
上記7つの項目ごとに、それぞれ違いについて紹介していきましょう。
1-1:対応可能な金額
1つ目の違いは、対応可能な金額についてです。
- ファクタリング:数10万円~数億円
- ビジネスローン:~1000万円
ファクタリングは、お持ちの売掛債権の金額が上限となります。
対応可能な金額は、ファクタリング会社により異なりますが億単位の取引も可能です。
一方でビジネスローンは、数万円の少額借入から数千万円まで利用することができます。
ビジネスローンの利用可能金額は、あなたの会社の事業規模や経営内容によって変動するでしょう。
1-2:スピード
2つ目の違いは、スピードについてです。
ファクタリングとビジネスローンでは、スピードに大きな違いはありません。
- ファクタリング(2社間):即日~3日
- ビジネスローン(ノンバンク):即日~3日
どちらも即日ないし3営業日ほどで資金調達が可能です。
ただし、ファクタリングの3社間を利用した場合は、1週間~3週間ほど時間がかかります。
また、銀行のビジネスローンを使用した場合は、1日~数ヶ月かかるでしょう。
素早く利用したい場合には、2社間ファクタリングやノンバンクのビジネスローンを使用する必要があります。
1-3:金利(手数料)
3つ目の違いは、金利(手数料)についてです。
ファクタリングは借入ではないため、金利ではなく手数料がかかります。
- ファクタリング(2社間):2%~20%
- ビジネスローン(ノンバンク):8%~18%
2社間ファクタリングとノンバンクのビジネスローンで比較すると、そこまで大きな違いはありません。
場合によっては、ファクタリングの方が手数料が安くなる場合もあるでしょう。
1-4:資金調達コスト
4つ目の違いは、資金調達にかかる費用についてです。
ファクタリングとビジネスローン、それぞれでかかる可能性のある費用について紹介します。
ファクタリング | ビジネスローン |
手数料 債権譲渡登記の費用 |
金利 印紙代 事務取扱手数料 担保関連費用 割引手形取立手数料 |
ファクタリングは、手数料の他に債権譲渡登記費用がかかる場合があります(2社間ファクタリングの場合)
ビジネスローンの場合は、細かい手数料等がかかります。中でも担保関連費用は、数十万円かかる可能性もあるでしょう。
手数料等を安く抑えたい場合には、ファクタリングの方がおすすめと言えるでしょう。
1-5:審査基準
5つ目の違いは、審査基準についてです。
ファクタリングとビジネスローンでは、審査の対象が異なります。
- ファクタリング:売掛先の信用力を重視
- ビジネスローン:あなたの財務状況を重視
ファクタリングの審査で大切なポイントは、売掛先の信用力です。売掛先の経営状態が一定基準を満たしていれば、利用者が赤字企業・税金滞納中であっても利用することができます。
一方でビジネスローンは、あなたの会社の財務状況が審査の対象です。
赤字企業や債務超過である場合、審査に通過するのは難しくなるでしょう。
1-6:取引先への通知
6つ目の違いは、取引先への通知です。
ファクタリングとビジネスローン、基本的にどちらも取引先へ通知はしません。
ただし、3社間ファクタリングを利用した場合は取引先への通知・承諾が必要ですので注意しましょう。
1-7:返済期間
7つ目の違いは、返済期間についてです。
- ファクタリング:1ヵ月~2ヵ月
- ビジネスローン:1ヵ月~10年
ファクタリングは、1ヵ月~2ヵ月などの短い期間に原則一括払いで返済する必要があります。
一方で、ビジネスローンは最長10年の長いスパンで返済を行うことが可能です。
返済方法は、一括払い・分割払い・残高スライドなど様々な方法があります。
長期間かけて資金繰りを改善したい場合には、ビジネスローンがおすすめです。
2:ファクタリングの2つのメリット
ビジネスローンではなく、ファクタリングを利用するメリットは2つあります。
- 審査が緩い
- 決算書の見た目が良くなる
上記2つのメリットについて、詳しく紹介していきいましょう。
2-1:審査が緩い
1つ目は審査が緩いという事です。
ビジネスローンは、自社の信用力が不足していると判断されると審査は通りません。
しかし、ファクタリングは融資ではなく売掛債権の譲渡です。利用する企業の信用力ではなく、売掛先の信用力が重要となります。そのため、赤字決済・税金滞納中であってもファクタリングを利用することが可能です。
2-2:決算書の見た目が良くなる
2つ目は決算書の見た目が良くなることです。
ファクタリングに使用する売掛金は「資産」となります。しかし、売掛金が多いと売掛先の倒産リスクなどの理由から、現金化するまでは銀行などから良い印象を受けません。
売掛金の金額が多い場合、銀行等から回収不能なものが含まれているのではないか?と印象が悪くなってしまうのです。
ファクタリングを行い、売掛金を現金にすることで、貸借対照表の見た目を良くすることができます。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:ファクタリング3つの仕訳方法!オフバランス化で得られるメリット
3:ビジネスローンの2つのメリット
ファクタリングではなく、ビジネスローンをあえて使用した方が良い場合もあります。
ビジネスローンを使用するメリットを2つ紹介しましょう。
- 低金利
- 入出金が自在
上記2つのメリットについて、詳しく紹介していきます。
3-1:低金利
1つ目は、金利が低金利な点です。
ファクタリングは借入ではなく、手数料がかかります。以下の表で金利を比較してみましょう。
ファクタリング | ビジネスローン |
2社間:5~20% 3社間:1~5% |
5~15% |
ファクタリングは返済期間が1ヵ月~2ヵ月と短いため、大きな差がないように見えますよね。
しかし年利計算してみると、ファクタリングの年利は120%以上です。
利息負担という意味では、ビジネスローンの方が優れています。
3-2:入出金が自在
2つ目は入出金が自在なことです。
ローンカードを使えば、銀行ATM やコンビニATMで枠の範囲内を24時間365日、何度でも借入・返済が可能です。
カードローンと同じ仕組みで使えるので、利便性がとても高いと言えます。
また、枠だけを持つ分にはコストが一切掛からないのです。
借入できる枠だけ持っていて、必要分のみ一時借り入れし、すぐに完済するといった使い方も出来るでしょう。
4:どっちを選ぶ?4つの選択基準
「ファクタリングとビジネスローンどっちを利用すればいいの?」
上記のように、お悩みの場合のために、選択基準を4つ紹介します。
- ①売却できる売掛債権があるか?
- ②審査に通るか?
- ③最短即日融資が必要か?
- ④すぐに完済できるか?
上記4つの選択基準に沿って、どちらを選ぶべきか検討してみましょう。
4-1:売却できる売掛債権があるか?
1つ目は、売却できる売掛債権があるかないかです。
- 売掛債権がある→ファクタリング・ビジネスローン
- 売掛債権がない→ビジネスローン
売掛債権がないとファクタリングは利用できません。
そのため、売掛債権がない場合はビジネスローンのみ選択可能です。
4-2:審査に通るか?
2つ目は、融資の審査に通るかどうかです。
- 審査が通らない可能性が高い→ファクタリング
- 審査に不安がない→ファクタリング・ビジネスローン
あなたの会社の財務状況が悪い場合には、審査基準の厳しいビジネスローンを利用することはできません。
下記のような状況の場合、ビジネスローンの審査に通らない可能性が高いため、ファクタリングを選ぶべきでしょう。
- 赤字決済
- 税金未納
- リスケ中
- 債務整理中
4-3:最短即日融資が必要か?
3つ目は、最短即日融資が必要かどうかです。
- 即日融資が必須条件→ファクタリング
- 即日融資が必須条件ではない→ビジネスローン
即日中に資金調達したい!とお考えであれば、迷わずファクタリングを選びましょう。
ファクタリング会社によっては、数時間で資金調達することができます。
時間がある場合には、金利の安いビジネスローンがおすすめです。
4-4:すぐに完済できるか?
4つ目は、すぐに完済できるかどうかです。
- すぐに完済できるめどがある→ビジネスローン
- すぐに完済できるかわからない→ファクタリング
すぐに完済できる目途が立っていれば、ビジネスローンを使用しましょう。
ビジネスローンは借入です。決算まで持ち越してしまうと、今後の銀行融資などに悪影響を及ぼす可能性があります。
完済目途が立っている場合には、ビジネスローンを使用するのが最善と言えるでしょう。
まとめ
ファクタリングとビジネスローンの違いについて紹介してきました。
- ビジネスローン:【借入である】長期的な資金繰り改善を検討
- ファクタリング:【借入ではない】短期的な資金繰り、急ぎの資金調達
主に上記のような違いがありますが、最後にもう一度お伝えしておきましょう。
ファクタリングは、急ぎの資金調達に向いています。売掛債権がある場合には、負債とならないファクタリングはおすすめと言えるでしょう。一方でビジネスローンは金利が安く、長期的な資金繰り改善に向いています。
ぜひ検討してみてください。