日本政策金融公庫は、実績の少ない個人事業主や中小企業でも融資を受けやすい便利な存在です。
国が100%出資をする金融機関とはいえ、デメリットは存在します。
今回は、日本政策金融公庫のデメリットについて詳しく紹介していきましょう。
1:日本政策金融公庫はやばい?4つのデメリットを解説
中小企業の味方でもある「日本政策金融公庫」ですが、利用するデメリットはあります。
- ①審査に日数がかかる
- ②保証人が必要
- ③借り換えは禁止
- ④担保による返済は対象外
融資を受ける前に知っておきたい、上記4つのデメリットについて詳しく紹介していきましょう。
1-1:審査に日数がかかる
デメリット1つ目は「審査」に日数がかかるという点です。
日本政策金融公庫は、一般の金融機関に比べて審査にかかる時間が長くなっています。
【機関名】 | 【期間】 |
(1) 日本政策金融公庫 | 3週間~1ヶ月 |
(2) 銀行 | 1週間 |
(3) 消費者金融機関 | 最短1日~数日 |
銀行など消費者金融で融資にかかる時間は1週間前後です。
しかし日本政策金融公庫は約1ヶ月かかると考えておきましょう。
日本政策金融公庫は銀行ではなく、融資専門の機関です。
審査の際、メインバンクの残高・決済状況・収支・資金繰りなどを確認する必要があります。
しかし融資専門の日本政策金融公庫は、預金の受け入れなどを行っていないため、いちいち通帳などで口座状況を確認する必要があるのです。
その為、銀行などに比べて審査に時間がかかります。
最速で融資を受けたい方はこちらの記事をご確認ください。
1-2:保証人が必要
デメリット2つ目は「保証人が必要」という点です。
銀行や消費者金融の中には「保証人不要!」という事もあります。
しかし日本政策金融公庫では、原則として保証人が必要です。
女性の小口融資や、商工会義所・商工会の推薦を受けている企業などは保証人不要で融資を受ける事が出来る制度があります。
ただし原則は保証人が必要という事を覚えておきましょう。
1-3:借り換えは禁止
デメリット3つ目は「借り換えが禁止」という点です。
自分が融資を受けている銀行よりも、日本政策金融公庫の方が低金利だから借り換えをしたい!
上記のように考える人も多いでしょう。
しかし日本政策金融公庫では、借り換えを禁止しています。
日本政策金融公庫の金利は、他の金融機関に比べて圧倒的に低い金利です。
借り換えOKにしてしまうと、民間の金融機関よりも国が100%出資している日本政策金融公庫に乗り換える人がかなり多くなってしまいます。
民間の金融機関を圧迫してしまわない為に、借り換えは禁止とされているのです。
1-4:担保による返済は対象外
日本政策金融公庫では、担保を前提とした返済計画を対象外としています。
日本政策金融公庫の返済は事業で上げた利益の中から返済する事が大前提です。
初めから担保での融資は対象外とされているので注意しましょう。
※事業がうまくいかず仕方なく担保で返済するケースもあります。
2:日本政策金融公庫6つのメリット
日本政策金融公庫のデメリットは分かったけれど、メリットが知りたい。
一般の金融機関から融資を受けるよりも、日本政策金融公庫で融資を受けるメリットは6つあります。
- 低金利
- 融資が受けやすい
- 他の金融機関で融資が受けやすい
- 返済期間が長い
- 返済計画の変更が可能
- 相談に乗ってくれる
上記6つのメリットについて、詳しく紹介していきましょう。
2-1:低金利
日本政策金融公庫の最大の魅力と言えば、低金利という点です。
銀行などの金融機関に比べて、圧倒的に金利が低くなっています。
どんなに低金利が評価されている銀行でも、融資を100万円受けた場合にかかる利息は10%を超える場合がほとんどです。
日本政策金融公庫で100万円の融資を受けた場合、年にかかる金利は2%になります。
とにかく低金利!という点が、日本政策金融公庫の最大の魅力でしょう。
2-2:融資が受けやすい
「民間の金融機関で、融資を断られた~」
諦めないでください。他の金融機関で融資を断られても、日本政策金融公庫であれば審査が通る可能性があります。
日本政策金融公庫の可決率は非常に高く、実績の少ない個人事業主や中小企業でも融資を受けられる可能性は高いのです。
日本政策金融公庫の基本理念にも、以下のように記載されています。
(1)政策金融の的確な実施
国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、
社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
収入が不安定な個人事業主や中小企業でも、資金調達が可能な頼れる存在ですね。
2-3:他の金融機関で融資が受けやすい
日本政策金融公庫で融資を受けると、他の金融機関で融資が受けやすくなります。
借入の返済実績を積み重ねていく事で、信用度が増し金融機関での審査や融資が通り安くなるのです。
2-4:返済期間が長い
日本政策金融公庫は返済期間が長い所も魅力的です。
返済期間は5年~10年で選ぶことができ、設備資金の融資は最長で20年まで返済期間を設定する事が出来ます。
2-5:返済計画の変更が可能
日本政策金融公庫ではリスケ対応(返済計画の対応)にも柔軟に対応してもらう事が可能です。
返済が難しくなった際に相談をすれば減額申請後、返済期間を延長する事が可能です。
2-6:相談に乗ってくれる
日本政策金融公庫では、融資や経営に関する事を気軽に相談することが可能です。
経営理念にも記載されていますが、親身になってアドバイスや相談に乗ってくれます。
(1)お客さまサービスの向上
イ お客さまの立場に立って親身に応対し、身近で頼りになる存在を目指す。
ロ 政策金融の役割を十分に理解し制度を適切に運用するとともに、コンサルティング機能・能力の充実を図ることでサービスの質を向上し、資金と情報を活用することにより、政策金融を必要とするさまざまなお客さまのニーズに迅速かつ的確に対応する。
引用元:日本政策金融公庫 経営方針
最寄りの日本政策金融公庫にて、無料で専属の税理士・中小企業診断士からアドバイスを受ける事が可能です。
本当に親身になって相談に乗ってくれるので、何か困った際にはぜひ相談をしてみて下さい。
日本政策金融公庫のメリットについて詳しくはこちらからご確認ください。
3:日本政策金融公庫でお金を借りる際の注意点
メリットの方が多い日本政策金融公庫ですが、融資を受ける際に注意しなければならない点があります。
それは、「返済日」です。
日本政策金融公庫で融資をお考えの場合には、上記の点を確認しておいてください。
それでは注意点について紹介していきましょう。
3-1:返済日に注意
日本政策金融公庫で融資を受ける際に、注意しなければいけない点は「返済」についてです。
銀行などの金融機関で融資を受けられない場合でも、日本政策金融公庫であれば融資が受けられるほど審査が通りやすい日本政策金融公庫。
審査の可決率が高い程、返済日に関しては厳しくなっています。
1日でも返済を遅れてしまうと、新規の融資が受けづらくなってしまうのです。
もしも返済日に返済できなそうと分かったら、リスケ対応の相談をしてみましょう。
何も相談せずに返済の延滞を行わない事が重要です。
4:時間が無い!保証人不要で融資を受けたい時に便利な2つの制度
日本政策金融公庫のデメリットとして「審査期間が長い」「保証人が必要」という点をお伝えしてきました。
- 一か月も待っていられない!
- 保証人を付けたくない!
すぐにでも資金調達をしたいと考えている場合には、日本政策金融公庫で融資を受けるメリットを感じられないはずです。
そんな状況の場合には2つの制度をオススメします。
- (1)ビジネスローン
- (2)制度融資
上記2つの制度は、両方とも保証人が原則不要・審査も最短即日で受ける事が可能です。制度について詳しく紹介していきましょう。
4-1:ビジネスローン
ビジネスローンは、企業や個人事業主が利用する事の出来るキャッシング・カードローンに似た融資制度です。
原則として、保証人が不要で最短即日で審査結果を得ることが出来ます。
「とにかく急いで資金を調達したい!」とお考えの場合には、ピッタリです。
しかしデメリットとして金利が高く(14.5~18%)・限度額が低い(100万~500万)という点が挙げられます。
利用前にデメリットもよく確認しておきましょう。
4-2:制度融資
制度融資は、地方自治体・信用保証協会・金融機関が提携して融資を行う制度です。
最大のメリットとして、公的融資なので金利が低い点が挙げられます。
また、保証人は「信用保証協会」が代行してくれるので必要ありません。
さらに日本政策金融公庫の融資と併用で利用する事が出来ます。
保証人不要の融資をお探しの場合には、オススメの融資制度です。
まとめ
日本政策金融公庫の「デメリット」について詳しく紹介してきました。
メリットの沢山ある日本政策金融公庫ですが、融資を受ける上でデメリットも存在するのです。
デメリットを把握した上で、日本政策金融公庫で融資を受けるようにしましょう。
ぜひ参考にしてみてください。