ファクタリング3つの仕訳方法!オフバランス化で得られるメリット - シャチョサン

ファクタリング 仕訳

ファクタリング仕訳方法が知りたい。

ファクタリングを検討すると同時に、仕訳等の会計処理をどのように行うのか気になりますよね。

今回は、ファクタリングの仕訳について詳しく紹介していきます。

また、ファクタリングを利用することによって得られる会計上のメリットについても解説していきましょう。ぜひ参考にしてみてください。

1:【状況別】ファクタリングの仕訳方法

ノートパソコン

ファクタリングの仕訳方法について詳しく紹介していきます。

ファクタリング利用時の仕訳方法は、3つの状況別に分けることが可能です。

  • 売掛債権発生時の仕訳方法
  • ファクタリング契約時の仕訳方法
  • 売却額入金時の仕訳方法

上記3つの状況別に仕訳方法を紹介していきます。

1-1:売掛債権発生時の仕訳方法

売掛債権発生時の仕訳方法について紹介していきましょう。

商品やサービスを提供することで、取引先との間で売掛債権が発生します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 100万円 売上 100万円

単純に売掛債権が発生した場合では、上記のように仕訳けることが可能です。

1-2:ファクタリング契約時の仕訳方法

売掛債権が発生後、ファクタリング会社と契約を締結した際の仕訳方法を紹介します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収入金 100万円 売上 100万円

3社間ファクタリングなどの取引方法を選択した場合、ファクタリング会社と契約してから売掛債権の売却金額が入金されるまで3営業日ほどかかる場合があります。契約と入金日がズレる場合には「未収入金(※1)」と計上するようにしましょう。

※1・・・未収入金
未収入金とは、商品やサービス以外のものを売却した場合に代金を後から受け取る際に使う勘定科目です。

1-3:売却額入金時の仕訳方法

ファクタリング会社から売掛債権の売却金額が入金された際の仕訳方法を紹介します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 90万円 売上 100万円
売上債権売却損 10万円

ファクタリング取引を利用することで、ファクタリング会社に支払う手数料が発生するでしょう。

手数料に関しては「売上債権売却損」として計上します。

ファクタリング利用時にかかる消費税は非課税です。手数料に関しても非課税で利用することができます。

消費税について詳しく知りたい場合には、下記の記事をご覧ください。

関連記事:ファクタリングに消費税がかかるは嘘!非課税である理由と仕訳方法

2:ファクタリングによるオフバランス化

データ

ファクタリングを利用することで、賃借対照表(バランスシート)をオフバランス化させることができます。

オフバランス化することで、総資産を増やさずに資金調達することができるのです。

なぜ、ファクタリングを利用することでオフバランス化が図れるのか詳しく解説していきます。

オフバランス化とは、賃借対照表(バランスシート)に計上される資産や負債をバランスシートからオフ(消す)すること。資産効率の改善が期待でき、収益性を高めることが可能。

2-1:オフバランス化できる理由

資金調達を行う上で、ファクタリングを利用すればオフバランス化することができます。

ファクタリングは資産である売掛債権を、資産の部にある現金にするため資産の増加を防ぐことが可能です。

一方で銀行融資等で借入を行う場合、現金が資産の部に計上されるため総資産を増加させることになります。

銀行融資とファクタリングの総資産の増加について、例を用いて比較していきましょう。

【銀行融資の場合】

  • <条件>
  • 預金500万円
  • 売掛金1,000万円
  • →総資産1,500万円
借方科目 金額 貸方科目 金額
預金 500万円 短期借入 500万円

上記のように、銀行から借入を行うと流動資産が500万円増えています。

ファクタリングの場合】

  • <条件>
  • 売掛金1,000万円
  • →総資産1,000万円
借方科目 金額 貸方科目 金額
未収金 1000万円 売掛金 1000万円

ファクタリングの場合、資産である売掛金を現金に交換するため総資産が増加することがないのです。

上記のように、ファクタリングを利用するとオフバランス化することができます。

オフバランス化によって得られるメリットについて、次の章で詳しく紹介していきましょう。

3:オフバランス化で得られる2つのメリット

お金

ファクタリングでオフバランス化を図ることで、得られるメリットは何?

ファクタリングによるオフバランス化を行うことで、総資産を減らすことが可能です。

総資産を減らすことで2つのメリットを得ることができます。

  • 総資産利益率(ROA)の向上
  • 自己資本比率の向上

ファクタリングは単なる資金調達という目的だけでなく、企業価値向上へも役立てることができるのです。

さっそく上記2つのメリットについて詳しく解説していきます。

3-1:総資産利益率(ROA)の向上

1つ目のメリットは、総資産利益率(ROA)の向上です。

経営者の方なら総資産利益率(ROA)というコトバを聞いたことがあるのではありませんか。

総資産利益率(ROA)は、投資する起業価値を判断する際に重要なポイントとなる1つの指標です。

ファクタリングによって総資産を減らすことで、総資産利益率(ROA)を向上させることができます。

銀行から借入を行った場合とファクタリング資金調達をした場合で総資産利益率(ROA)を比較してみましょう。

総資産利益率の出し方は「ROA=経常利益÷総資産」です。

【銀行融資の場合】

  • <条件>
  • 売掛金1000万円
  • 借入額500万円
  • (総資産:1500万円)
  • 当期の純利益を300万円とする

20%=300万円÷1500万円

銀行融資の場合の総資産利益率(ROA)は20%になります。

続いてファクタリングの総資産利益率(ROA)を見てみましょう。

ファクタリングの場合】

  • <条件>
  • 売掛金500万円
  • 預金500万円
  • (総資産:1000万円)
  • 当期の純利益を300万円とする

30%=300万円÷1000万円

上記のように、500万円の同額を資金調達してもファクタリングだと総資産利益率(ROA)を向上させることが可能です。

3-2:自己資本比率の向上

2つ目のメリットは、自己資本比率の向上になります。

自己資本比率は「自己資本÷総資本」で計算することができ、返済不要の自己資本が全資金調達額の何%に値するかを算出した数字です。

自己資本比率が高いと、安定した会社と評価されやすくなります

一方で自己資本比率が低い会社だと、他人資本の影響が強い不安定な会社だと判断されやすくなってしまうのです。

ファクタリングを利用することで、総資本に全く影響を与えずに自己資本比率を向上させることができます。

資金調達を考える際に、まず思いつくのが銀行からの借入です。しかし借入の場合は、総資本・他人資本を増やすことになり自己資本比率を下げてしまいます。企業価値を上げたいとお考えであれば、ファクタリングを活用することで総資産利益率(ROA)と自己資本比率が向上できるということを覚えておきましょう。

まとめ

ファクタリングの仕訳について紹介してきました。

ファクタリングの仕訳は通常の会計処理と異なるため、お悩みになることもあるでしょう。しかし方法さえ覚えれば、仕訳方法を身に着けることができます。また、ファクタリングはバランスシートのオフバランス化にも活用することが可能です。

総資産利益率(ROA)や自己資本比率の向上にも役立てることができるので、ぜひ覚えておきましょう。