資金調達にかかる手数料の相場が知りたい。
上記のように、資金調達でかかる手数料相場について知りたいとお考えではないでしょうか。経営者にとって資金調達でかかる手数料は、できる限り抑えたいですよね。資金調達でかかる手数料は、資金調達方法によって異なります。
今回は、資金調達でかかる手数料について詳しく紹介していきましょう。
1:資金調達方法別!6つの手数料相場
資金調達でかかる手数料の相場を紹介していきます。
資金調達の手段を選ぶ上で、手数料は事前にチェックしておく必要があるでしょう。
今回紹介する資金調達の手数料は6種類です。
- ①日本政策金融公庫
- ②銀行
- ③ノンバンク
- ④ビジネスローン
- ⑤ファクタリング
- ⑥手形割引
上記6種類の資金調達方法ごとにかかる手数料について紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【2019年12月版】資金調達15種類まとめ!方法別メリットとデメリット
1-1:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫でかかる手数料を紹介します。
担保あり | 担保なし | |
金利 | 1% | 2% |
担保を付けることで、通常よりも金利を下げることができます。日本政策金融公庫の融資では、担保あり・なしで金利が変わるのです。
さらに、新しい事業を始める場合や新しく会社を起業する場合にも低金利で融資を受けることが可能です。借入系の資金調達方法の中では、日本政策金融公庫がもっとも手数料を抑えて利用することができます。
関連記事:日本政策金融公庫は創業時に強い!経営者必見の理由と9つの融資制度
1-2:銀行
銀行からの融資でかかる手数料を紹介します。
金利 | |
プロパー融資 | 0.45%~1.9% |
メガバンク(担保あり) | 1.5%~2% |
地方銀行 | 2%~3% |
信用金庫 |
プロパー融資(保証協会なし)で借入することができれば、0.45%~1.9%と低金利で融資を受けることが可能です。しかし審査が非常に厳しくなるため、中小企業や創業したてのベンチャー企業等には難しい資金調達方法となっています。
一方でメガバンクでも、保証協会を付ければ審査ハードルは下げることが可能です。保証協会付きであっても1.5%~2%で融資を受けることができます。
中小企業やベンチャー企業であれば、信用保証協会を付けて銀行から融資を受けるのがオススメです。
※ 信用保証協会を付けた場合、保証料として別途2%がかかります。
1-3:ノンバンク
ノンバンク系でかかる手数料について紹介しましょう。
担保あり | 担保なし | |
金利 | 5%~15% | 6%~18% |
ノンバンク系とは、銀行等ではなく民間企業が行っている貸付事業のことを指します。
銀行や日本政策金融公庫と比べ、審査基準が緩く審査にかかるスピードも短く利用することが可能です。ただし手数料で比べると非常に高くなってしまうというデメリットがあります。審査を待つ時間が無い場合などで単発的に利用すると良いでしょう。
1-4:ビジネスローン
ビジネスローンでかかる手数料について紹介します。
金利 | 10%~15% |
ビジネスローンとは、法人や個人事業主を対象とした無担保ローンです。
最短即日で融資を受けることができます。銀行融資と比較すると金利が高めに設定されているビジネスローンですが、その分の審査ハードルは低めに設定されているのです。銀行融資に落ちてしまった場合でも、ビジネスローンなら利用できるというケースが多くなっています。
1-5:ファクタリング
ファクタリングでかかる手数料について紹介します。
3社間ファクタリング | 2社間ファクタリング | |
手数料 | 1%~5% | 10%~20% |
ファクタリングでは取引方法によって手数料が変動するのです。
利用者とファクタリング会社、売掛先(取引先)の3社間で行う取引であれば、ファクタリング会社が背負う未回収リスクを軽減させることができるため手数料を低く利用することができます。
一方で、利用者とファクタリング会社の2社間で行う取引方法は手数料が高くなってしまうのです。
誰にもバレずに即日利用できる2社間ファクタリングですが、手数料が高くなる点には注意しておきましょう。
関連記事:ファクタリングの全てが解る!経営者へ本当におすすめしたい優良店7選
関連記事:ファクタリング3つの仕訳方法!オフバランス化で得られるメリット
1-6:手形割引
手形割引でかかる手数料について紹介します。
手数料 | |
手形割引業者 | 3%~20% |
銀行 | 1.5%~3.5% |
信用金庫 | 2.5%~4.5% |
信用組合 | 3.5%~5.5% |
手形割引でかかる手数料は、どこで手形割引を利用するかによって大きく違ってくるのです。手形を扱う銀行や信用金庫・信用組合であれば低い手数料で利用することができます。ただし審査や手続きに時間がかかるため、即日で現金を調達することは不可能です。
一方で民間の手形割引業者を利用すれば、即日で現金を調達することができます。ただし手数料が高く、資金調達にかかるコストが大きくなってしまうのです。手形割引を利用する際に、共通して言えることは「手数料は審査により変わる」ということになります。手形が不渡りになる可能性が高ければ、その分の手数料も高くなるのです。
関連記事:ファクタリングと手形割引の仕組みの違い!決算書に与える影響
2:税理士へ依頼する!4つの手数料相場
資金調達を税理士に頼んだ場合にかかる手数料は?
資金調達方法の1つとして、自分で資金調達をするのが困難な場合には税理士に依頼するという手段もあります。税理士に依頼することで、資金調達スピードと成功確率がアップすることは間違いないでしょう。
そんな税理士に資金調達を依頼した場合の手数料(かかる費用)について紹介していきます。資金調達方法と状況別に紹介していきましょう。
- 銀行からの融資の場合
- 日本政策金融公庫からの融資の場合
- 補助金・助成金の場合
- 書類作成のみ依頼した場合
上記4つの状況別に手数料相場を紹介していきます。
2-1:銀行からの融資の場合
銀行から融資を受ける場合に、税理士に払う手数料相場を紹介しましょう。
着手金 | 2万円~5万円 |
成功報酬 | 2%~5% |
成功報酬は、資金調達額の2%~5%を表します。
2-2:日本政策金融公庫からの融資の場合
日本政策金融公庫から融資を受ける場合に、税理士に払う手数料相場を紹介します。
着手金 | 3万円~5万円 |
成功報酬 | 3%~5% |
成功報酬は、資金調達額の3%~5%を表します。
2-3:補助金・助成金の場合
補助金や助成金で資金調達する場合に、税理士に払う手数料を紹介しましょう。
着手金 | 2万円~5万円 |
成功報酬 | 15%~25% |
成功報酬は、資金調達額の15%~25%を表します。
他の資金調達方法と比べると、補助金・助成金の成功報酬は非常に高く設定されているのです。
2-5:書類作成のみ依頼した場合
資金調達先に提出する書類作成のみを税理士に依頼した場合にかかる手数料を紹介します。
費用 | 3万円~5万円 |
税理士には、決算書や事業計画書などの書類作成だけを依頼することも可能です。
資金調達の経験がある経営者であれば、書類作成のみを依頼することで経費を削減することができるでしょう。
3:悪質経営コンサルタントに注意!起きる3つの事態
資金調達をする上で、経営コンサルタントにサポートしてもらうという方法もあります。経営コンサルトへ依頼すれば、税理士よりも安く資金調達をサポートしてもらうことが可能です。
ただし最近では悪質な経営コンサルタントが存在するため、利用時には注意が必要となります。
悪質な経営コンサルタントとは、出資法で定められている成功報酬の5%以上の成功報酬を要求する経営コンサルタントのことです。
経営コンサルタントが受け取って良い成功報酬は、出資法で5%と定められています。
第四条 金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額(当該貸借の期間が一年未満であるものについては、当該貸借の金額に、その期間の日数に応じ、年五パーセントの割合を乗じて計算した金額)を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない。
悪質な経営コンサルタントを利用するとどうなるのか、起こり得る3つの事態を紹介しましょう。
- ①銀行から処罰を与えられる
- ②経営コンサルタントの逃走
- ③資金繰りの悪化
上記3つの事態について詳しく紹介していきます。
3-1:銀行から処罰を与えられる
1つ目の事態は、銀行から処罰を与えられるという点です。
悪質な経営コンサルタントは、成功報酬が欲しいがために決算書等を偽造します。
しかし偽造された決算書に銀行等の資金調達先が気づけば、処罰を受けることになるでしょう。具体的な処罰を4つ紹介します。
- 2度と融資が受けられなくなる
- 一括返済の要求
- 詐欺罪で訴えられる
- 損害賠償の請求
決算書等の偽造が発覚すれば、2度と融資を受けられなくなることは当然です。
さらには借入額の一括返済や詐欺罪で訴えられる可能性もあります。
いくら資金調達をしたい状況であっても、悪質な経営コンサルタントを利用することは危険な行為なのです。
3-2:経営コンサルタントの逃走
2つ目の事態は、経営コンサルタントの逃走になります。
成功報酬額が安い経営コンサルタントでも、着手金を受け取った途端に逃走する可能性があるのです。
いつまで経っても資金調達の計画が実行されなかったり、連絡が付かない場合には注意が必要となります。
3-3:資金繰りの悪化
3つ目の事態は、資金繰りの悪化です。
悪質な経営コンサルタントを利用したとしても、30%~50%の手数料を取られてしまえば資金はすぐに尽きてしまうことが考えられます。
せっかく資金調達をしても、資金繰りが元通りに悪化することが考えられるでしょう。
経営コンサルタントを利用する場合には、必ず口コミ等を確認して信頼できる「優良な経営コンサルタント」を利用するようにしてください。
まとめ
資金調達にかかる手数料について紹介してきました。
資金調達にかかる手数料は、資金調達方法によって様々です。
もっとも手数料が安い資金調達方法は、日本政策金融公庫から融資を受ける方法となります。
手数料の高い資金調達方法は、頻繁に利用すると資金繰りを悪化させる可能性があるでしょう。
どのように利用する資金なのかによって、資金調達方法を選んでください。