シングルマザーがもらえる11の助成金と注意点|給付金と割引手当についても解説

シングルマザー助成金のアイキャッチ 助成金・補助金

母子家庭(シングルマザー)が受けられる助成金は無いかな?

日本には、母子家庭・父子家庭が支援を受ける事の出来る手当や制度が沢山あります。

母子家庭の平均年収は243万円と決して高くなく、母一人の力で生活を切り盛りするのは大変です。

今回は、母子家庭がもらえる助成金や手当について詳しく紹介します。

一つでも当てはまるものがあれば、すぐに申請してみましょう。
ぜひ参考にしてみて下さい。

シングルマザー(母子家庭)が利用できる11の助成金

母子家庭だと受け取ることの出来る手当ってあるの?

母子家庭(父子家庭も含む場合があります)が受け取れる手当は全11個あります。

  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 児童育成手当
  • 住宅手当
  • 母子家庭の医療費助成制度
  • こども医療費助成
  • 乳幼児医療費助成制度(マル乳)
  • 特別児童扶養手当
  • 障害児福祉手当
  • 生活保護
  • 母子家庭の遺族年金

「え!こんなにあるの?」と今まで知らなかった手当や制度があるのではないでしょうか。
それぞれ詳しく紹介していきます。

1-1:児童手当

児童手当は、母子家庭・父子家庭に関わらず全ての家庭が対象です。

子どものいる家庭の生活が安定し、健やかな成長を支える事を目的としています。

  • 【支給対象】:日本国内に住所のある0歳~15歳の子ども

支給金額については、以下の表をご覧ください。

年齢 支給額
0歳~3歳 一律15,000円
3歳~12歳 第一子・二子:10,000円
第三子以降:15,000円
中学生 一律10,000円

児童手当は所得制限が設けられています。

年間所得が960万円を超える世帯の子どもに対しては、5,000円と支給額が定められているのです。
詳しい所得制限については下記の表をご覧ください。

扶養親族数 所得金額 収入目安
0 630万円 約833万円
1 668万円 約876万円
2 706万円 約918万円
3 744万円 約960万円
4 782万円 約1,000万円
  • 【支給時期】
    児童手当は年間3回支給されます。
    毎年6月・10月・2月が支給月です。

1-1-1:注意点

児童手当を受け取る上で、注意点をお伝えしましょう。

児童手当は毎年6/1に、支給条件を満たしているかどうか判定されます。

児童手当を引き続き、翌年も受け取りたい場合には毎年移住地の市区町村へ「現状届け」を提出する必要があるのです。
毎年6月に役所から郵送されてくるので6月中に手続きを行うようにしましょう。

1-2:児童扶養手当

児童扶養手当は、母子家庭・父子家庭が対象の国支給の手当制度です。
母子家庭・父子家庭になった理由は、問いません。(死別・離婚など)

  • 【支給対象者】:母子(父子)家庭の0歳~18歳までの子どもが対象

児童扶養手当は扶養人数・所得額により支給金額が異なり3つの区分に分けられます。
全額支給・一部支給・不支給の3区分です。

全額支給の場合の、支給金額を紹介します。

【全額支給】
子ども1人 月額42,000円
子ども2人 月額47,000円
子ども3人 1人増えるごとに3,000円加算

その他支給額については、下記のシュミレーションサイトにてご確認ください。

児童扶養手当支給額シミュレーション

  • 【支給時期】
    支給時期:年3回、毎年8月・12月・4月

1-2-1:注意点

児童扶養手当を、次の年も継続して受給したい場合には児童扶養手当現状届けの提出が必要です。毎年8月に役所より郵送されてくるので、必ず提出する様にしましょう。

1-3:児童育成手当

児童育成手当は、0歳~18歳までの児童を扶養する母子家庭(父子家庭)が対象の手当です。

児童1人につき、月額13,500円が支給されます。(東京都の場合)

支給される手当の金額は、各市町村により異なるため、事前に確認しておきましょう。

1-4:住宅手当

母子家庭(父子家庭)で20歳未満の子どもを扶養しているケースであれば、住宅手当が支給される市区町村があります。

市区町村、独自の手当制度のため実施している地域かどうか確認が必要です。
実施している地域であれば、平均で5,000円~10,000円の住宅手当を受け取る事が出来ます。

  • 【対象者条件】
    (1)母子家庭(父子家庭)で20歳未満の子どもを扶養
    (2)申請先の所在地に住民票がある(民間アパート居住)
    (3)申請先住所に6か月以上住んでいること
    (4)生活保護を受けていないこと

1-5:母子家庭の医療費助成制度

医療費助成制度とは、母子家庭(父子家庭)が対象の健康保険自己負担分を市区町村が負担する制度です。

市区町村により制度内容は異なりますが、対象家庭の保護者や子どもが病院や診療所へ行った際に医療費を払わなくても良い制度になります。

1-5-1:注意点

医療費助成制度には所得制限があり、決められた所得を超えている場合には医療費助成制度を支給してもらうことが出来ません。

自身の所得が制限より超えていないか事前に確認しておきましょう。

扶養親族などの人数 母子家庭の所得 孤児の養育者同居の扶養義務
0人 192万円 236万円
1人 230万円 274万円
2人 268万円 312万円

※1人増えるごとに38万円が加算される

1-6:こども医療費助成制度

こども医療費助成制度は、保険診療で支払った医療費の自己負担分の一部が市区町村により助成される制度です。
「医療費助成制度」の所得制限により、助成を受けられなかった場合には「こども医療費助成制度」がもらえる可能性があります。

ただし、市区町村により支給される金額や子どもの対象年齢が異なるので事前に各地域の役所へ確認しておきましょう。

1-7:乳幼児医療費助成制度(マル乳)

乳幼児医療費助成制度とは、国民健康保険・健康保険などの各種医療保険料の自己負担分助成してくれる制度です。

医療保険の対象となる医療費や、薬剤費などが対象となります。

  • 【対象者】
    都内各市町村内に住所がある0歳~6歳までの乳幼児を扶養していること
  • 【支給してもらう方法】
    ① 区市役所・町村役場へ申請→マル乳医療証の交付
    ②医療機関で保険証とマル乳医療証を提示→受診

1-7-1:注意点

マル乳医療証は、マル障・マル親・マル子医療証などを同一人物に重複して発行する事が出来ません。
複数制度の要件に該当し、発行を希望する場合には各役所へ相談が必要です。

1-8:特別児童扶養手当

特別児童扶養手当は、母子家庭だけでなく条件を満たせばすべての家庭に支給する事のできる国の制度です。
20歳未満の子どもで、精神もしくは身体に障害がある事が支給の条件になります。詳しく紹介しましょう。

  • 【対象者】
    (1)精神障害・精神の発達が遅れている
    (2)日常生活に著しい制限がある
    (3)身体的障害・長期安静が必要な症状がある

支給される金額は、子どもの人数と障害の度合いにより変わります。

子どもの人数 等級1級 等級2級
1人 51,100円 34,030円
2人 102,200円 68,060円
3人 153,300円 102,090円

※等級1級:身体障害者手帳1~2級(療育手帳A判定)
※等級2級:身体障害者手帳3~4級(療育手帳B判定)

  • 【支払時期】
    年3回:8月・12月・4月

1-8-1:注意点

次の年も特別児童扶養手当の受給を継続させたい場合には、毎年8月に児童扶養手当現況届を提出する必要があります。
提出を忘れてしまうと、特別児童扶養手当を受けられない時期が発生する可能性もあるので注意しましょう。

1-9:障害児福祉手当

障害児福祉手当は、20歳未満の子どもを扶養している家庭で条件を満たせば支給してもらう事が可能です。

  • 【支給対象者】
    (1)身体的・精神的障害があり日常生活を自力でおくる事が不可能
    (2)常に介護が必要である20歳未満の子どもである事
  • 【支給金額】
    一律:月額14,480円
  • 【支給時期】
    年3回:8月・12月・4月

上記の2つの条件を満たしていても、所得が一定以上ある場合には支給する事が出来ません。
下記の所得制限表にて、事前に確認しておきましょう。

扶養人数 本人の所得額 配偶者・扶養者の所得
0 3,604,000円 6,287,000円
1 3,984,000円 6,536,000円

1-9-1:注意点

次の年も障害児福祉手当を受給したい場合には、毎年8月に障害児福祉手当現状届けを提出する必要があるので注意しましょう。

1-10:生活保護

生活保護とは、国が必要最低限の生活を保障しながら本人の自立を促す制度です。
もちろん母子家庭でも生活に困ったら、生活保護を受ける事ができます。

  • 【支給対象者】
    (1)資金を一切もっていない
    (2)援助してくれる身内や親族がいない
    (3)利用があり働くことができない
    (4)上記3つの条件を満たし、月の収入が最低生活費を下回っている

生活保護は、上記4つの条件を満たした上で厚生労働省が定めた計算式最低生活費-収入=差額により支給額が決定します。

その他にも必要と判断される経費があれば、プラスで扶助が可能です。

  • ①生活扶助
  • ②住宅扶助
  • ③教育浮上
  • ④医療扶助
  • ⑤介護扶助
  • ⑥出産扶助
  • ⑦失業扶助
  • ⑧葬祭扶助

生活保護でいくら貰えるの?と事前に知りたい場合には、下記のサイトで生活保護の費用を確認してみましょう。

生活保護費用を確認する

1-11:母子家庭の遺族年金

母子家庭(父子家庭)の遺族年金とは、夫もしくは妻が死亡した時に受け取る事のできる年金です。
金額は加入している年金の種類・年齢等により異なります。

遺族年金の種類について紹介しておきましょう。

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金
  • 寡婦(かふ)年金
  • 死亡一時金

2:シングルマザーが使える8つの免除と割引手当

手当や助成金だけではなく、母子家庭の生活を助ける制度は他にもあります。

減免や割引制度など、少しでも利用できるものがあれば申請してみましょう。

母子家庭が利用できる減免・割引制度を8つ紹介します。

  • 寡婦控除(かふこうじょ)
  • 国民健康保険の免除
  • 国民年金の免除
  • 電車・バスの割引制度
  • 粗大ごみの手数料免除
  • 上下水道の減免制度
  • 保育料の免除・減額
  • ひとり親家庭休養ホーム

詳しく紹介していきましょう。

2-1:寡婦控除(かふこうじょ)

寡婦控除(かふこうじょ)とは、死別・離婚などの理由により夫から離れて再婚していない場合に受ける事のできる所得駆除の制度になります。

寡婦控除を受ける事で、住民税や所得税を減税する事が可能です。
また、特定の条件を満たしている場合には更に控除を受ける事もできます。

  • 【条件】
    (1)単身で生活し生活を同じくする子どもが居る
    (2)生活を同じくしている子どもの総所得金額が38万円以下であること
    (3)単身の場合、合計所得金額が500万円以下であること

寡婦控除を受ける上で、注意点があります。

寡婦控除を受けている場合、務めている会社に寡婦控除を受けていると申請する必要があるでしょう。
寡婦控除を受けていることを会社が知らない場合、年末調整などで寡婦控除の処理をしてくれない可能性があります。

必ず事前に伝えておきましょう。

2-2:国民健康保険の免除

国民健康保険の軽減・免除は、母子家庭に限らず全ての人が対象です。

どんな時に国民保険の軽減・免除は可能なのか、紹介します。
国民保険の軽減・免除は、2つのケースで適用可能です。

  • ① 前年よりも大幅に所得が減少したケース
  • ② ケガ・病気により生活が困難になったケース

上記2つのケースは、国民保険の軽減・免除が適用になります。
免除の割合などは、市区町村により異なるので各役所へ確認が必要です。

2-3:国民年金の免除

国民年金の免除は、母子家庭に限らず全ての人が対象です。

所得が無い、年金を収めることが難しい場合には、未納にせず国民年金保険料免除・納付猶予制度の手続きを行う様にしましょう。

手続きを行う事で4つの免除区分から、免除を受ける事が出来ます。

  • ① 全額免除
  • ② ¾免除
  • ③ 半額免除
  • ④ ¼免除

国民年金の免除手続きは、下記URLから行う事が可能です。

国民年金の免除手続きへ進む

2-4:電車・バスの割引制度

母子家庭で「児童育成手当」を受給しているケースであれば、各自治体で設定している電車やバスの割引制度を利用する事が出来ます。
市区町村により割引の率は異なりますが、公営バスの料金が無料になったりJR通勤定期乗車券が3割引きになる可能性が高いです。

割引制度の詳細は、各自治体に確認してみましょう。

2-5:粗大ごみの手数料免除

母子家庭だけでなく、以下3つの様な制度や手当を受けている家庭は粗大ごみの手数料を免除してもらえる可能性があります。

  • 児童扶養手当受給家庭
  • 特別児童扶養手当受給家庭
  • 生活保護受給世帯

住んでいる市区町村により、制度内容が異なるので詳しくは市区町村役所へ確認してみましょう。

2-6:上下水道の減免制度

母子家庭だけでなく、以下2つの手当を受けている家庭は上下水道料金の一部を減免してもらえる可能性があります。

  • 児童扶養手当受給家庭
  • 特別児童扶養手当受給家庭

上下水道料金の減免は、市区町村による制度です。
詳しくは各市区町村の役所で確認してみましょう。

2-7:保育料の免除・減額

母子家庭などで所得の低い世帯は、保育料が無料になったり減額になる可能性が高いです。
4月1日の時点で、保育所入所児童の年齢・保護者の前年所得額により免除・減免は決定します。

詳細は住んでいる地域の自治体にて確認する事が可能です。

2-8:ひとり親家庭休養ホーム

ひとり親家庭休養ホームとは、母子家庭の親子が区の指定施設を利用する際に利用料金の一部が助成される制度です。

利用できる施設は自治体によって異なります。

詳しくは各区役所か、町村窓口で確認してみましょう。

3:【その他】役立つ5つの給付金と職業訓練

母子家庭がもらう事の出来る助成制度や手当、割引などについて詳しく紹介してきました。
最後に「母子家庭は、仕事が無い・・・」と諦めているアナタに役立つ給付金と職業訓練制度について紹介しましょう。

  • ① 母子家庭の自立支援訓練給付金
  • ② 高等職業訓練促進給付金
  • ③ ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金
  • ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
  • 母子家庭の母等の職業訓練

上記6つの役立つ給付金・職業訓練制度について紹介します。

ぜひ参考にしてみて下さい。

3-1:母子家庭の自立支援訓練給付金

「母子家庭の自立支援訓練給付金」とは、母子家庭の経済的自立を支援する就業支援です。

国と自治体が協力して行っている支援制度で、母子家庭の母は対象の教育訓練を受講する事で修了時に経費の60%を受け取る事ができます。
経費は1万2千円~20万円までの支給が可能です。

3-2:高等職業訓練促進給付金

「高等職業訓練促進給付金」とは、母子家庭の母が看護師・介護福祉の資格を取得する際に受け取る事のできる給付金です。

資格取得のため、1年以上修行する場合に修行期間中の生活負担軽減のため給付されます。詳しくは下記URLをご覧ください。

3-3:ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金

「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金」とは、「母子家庭高等職業訓練促進給付金」などを活用して養成機関に在学し、就職に向けた資格取得を目指す母子家庭に対して実施される公的な貸付制度です。

養成機関での修行をより簡単にし、資格取得のスピードを促進する事を目的としています。

詳しくは下記URLをご覧ください。

ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金

3-4:ひとり親家庭高等学校卒業程度認定合格支援事業

「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定合格支援事業」とは、児童扶養手当の支給者または同等の所得水準である母子家庭が対象です。

高卒認定試験の合格を目指し講座を受け、修了時に受講修了給付金として受講料の20%を受け取ることが可能です。
上限は10万円までとし、4,000円を超えない場合は支給されません。

詳しくは下記URLをご覧ください。

ひとり親家庭高等学校卒業程度認定合格支援事業

3-5:母子家庭の母等の職業訓練

「母子家庭の母等の職業訓練」とは、生活保護を受けている母子家庭の母を対象とした職業訓練です。東京都が主体となり、民間の教育訓練機関に委託をし実施しています。

就職に必要な知識や技能を取得するための、準備講習5日間が付いた職業訓練です。

詳しくは下記URLをご覧ください。

母子家庭の母等の職業訓練

まとめ

母子家庭が受け取る事の出来る助成金、手当などについて紹介してきました。

母子家庭は、国や自治体から受け取る事のできる給付金や手当があるのです。

条件が該当すれば、返済不要でお金を受給する事ができます。

ぜひ当てはまるものは無いか、検討してみてください。

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