スタートアップ企業の資金調達における「シリーズ」って何だろう?
上記のように「シリーズ」について、詳しく知りたいとお考えではないでしょうか。
シリーズとは、ベンチャーキャピタルにおける投資判断の際に用いられる言葉です。
シードラウンド、シリーズA、シリーズB、シリーズCが主に使われる種類で、企業の成長段階に応じた投資ラウンドとして用いられます。
この投資ラウンドは、スタートアップ企業側にとっても「資金調達手段を見直す指標」として活用することが可能です。
今回は投資ランドとして使われる「シード」の基本的な概要と、各段階における資金調達方法について詳しく紹介していきます。
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「シリーズA・B・C」は成長段階を示す4つの投資ラウンドのこと
スタートアップにおける、投資ラウンドは大きく分けて4つあります。
投資ラウンド | |
シードラウンド | 500万円前後 |
シリーズA | 1,000万円~3,000万円 |
シリーズB | 数億円~10億円 |
シリーズC | 数億円~10億円以上 |
上記4つの投資ラウンドごとに、資金調達目的・調達可能額は異なるのです。
各段階ごとに、やるべきことや資金調達方法を見直す1つの指標としてスタートアップ企業は活用することができます。
また、ベンチャーキャピタルから「出資を受けやすい時期」「しない方が良い時期」等も投資ラウンドごとに把握しておくことが可能です。
今回は、投資ラウンドについてそれぞれ詳しく紹介していきましょう。
【シードラウンド】必要コストと資金調達方法
シードラウンドとは、起業前もしくは事業スタート直前の段階を指します。
商品やサービスの企画段階で、主な必要コストは会社設立費用・人件費・開発費などの必要最低限のお金が必要です。
スタートアップ企業において、最も重要な段階であるとも言われており「入念な市場調査」が必要となります。失敗しない為にも、市場調査は入念に行いましょう。市場調査後は、ビジョンに基づく事業案を市場調査結果をもとに顧客ニーズとのすり合わせが必要です。
そんなシードラウンド段階の資金調達額、資金調達方法について詳しく紹介していきます。
資金調達額
シードラウンドにおける資金調達額の目安は、500万円~1億円前後です。
投資ラウンドの中では、もっとも必要な資金が少ない段階になります。
必要コストが少ない分、事業計画を磨き市場調査に力を入れておきましょう。
資金調達方法
シードラウンドにおける資金調達方法は、主に5つあります。
- ベンチャーキャピタル
- エンジェル投資家・個人投資家
- 融資(日本政策金融公庫)
- シードアクセラレータ(※1)
- 副業
スタートアップやベンチャー企業は、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の様な「Founder(ファウンダー)」と相性が良いとされています。シードラウンドにおけるベンチャーキャピタルの使い方には注意が必要です。
シードラウンドにおけるベンチャーキャピタルの使い方については、後ほど詳しく紹介します。
※1・・・シードアクセラレータとは、シードラウンドに対して積極的な投資を行っている起業家向け支援を行っている組織のことです。
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【シリーズA】必要コストと資金調達方法
シリーズAは、ビジネスモデルを確立する成長ステージ段階のことを指します。
徐々に顧客が増え始め、成長はしているが軌道に乗せるまでにはもう一押し・・・。
上記の様な段階をシリーズAと呼び、資金不足に悩まされやすい時期である特徴があります。シリーズAでは、経営を軌道に乗せるために資金調達方法を十分に活用する必要があるでしょう。業績が伸び始めれば、ベンチャーキャピタル・金融機関・補助金など様々な資金調達方法を活用することができるようになります。そんなシリーズA段階の資金調達額、資金調達方法について詳しく紹介していきます。
資金調達額
シリーズAにける資金調達額の目安は、1,000万円~3,000万円前後です。
徐々に業績が伸びはじめた時期に入るので、シードラウンドよりも資金調達できる額が大幅にアップします。事業を軌道に乗せるためにも、できるだけ資金を投じ成長スピードを加速させていきましょう。
資金調達方法
シリーズAで活用できる資金調達方法は、主に4つあります。
- ベンチャーキャピタル
- エンジェル投資家・個人投資家
- ファクタリング
- 日本政策金融公庫
ステージAになると、ベンチャーキャピタルの投資先として有力候補にもなりやすい時期です。大きな資金と、上場(IPO)までの目標が明確に決まっているのであればベンチャーキャピタルからの出資も良い資金調達手段となります。
その他には、ファクタリングという手段も新しく取り入れることが出来るでしょう。取引先との間で発生した売掛債権と、ファクタリング会社へ譲渡することによって売掛金を早期回収することが可能です。ファクタリングを活用することによって、キャッシュフローを改善し運転資金に充てることができます。
【シリーズB】必要コストと資金調達方法
シリーズBは、ビジネスモデルが確立しつつあり収益が伸びていく時期です。
ミドルステージの段階と捉えることができ、収益がどんどん伸びていく時期になります。シリーズBで必要となるコストは、シリーズAで得た経験や反省点によって変わってくるでしょう。サービスや商品の質を向上させるための、設備費用など様々な費用がまだまだかかることが予想されます。そんなシリーズBの資金調達額・資金調達方法について紹介していきましょう。
資金調達額
シリーズBにおける資金調達額の目安は、数億円~10億円前後です。
シリーズAでの反省点を踏まえ、事業拡大を行うにあたって必要コストが大きくなることが考えられます。巨額の融資や、出資(エクイティファイナンス)によって一度に大きな資金を調達する必要が出てくでるでしょう。
資金調達方法
シリーズBの資金調達方法は、主に4つあります。
- ベンチャーキャピタル
- エンジェル投資家・個人投資家
- 銀行融資
- 補助金や助成金
企業としての実績・信頼度が向上し始めるシリーズBでは、ベンチャーキャピタルからはIPOの見込みがある企業として注目度が高くなる傾向があるのです。ベンチャーキャピタルからの出資はもちろん、創業したての時期には難しかった金融機関からの融資も受けやすくなります。
資金調達の幅が広がっていく時期に入るので、ご自身の資金調達プランに合う方法で選んでいきましょう。
【シリーズC】必要コストと資金調達方法
シリーズCは、スタートアップにおける最終投資ラウンドを指します。
経営状態は黒字で安定化し、ベンチャーキャピタルから出資を受けているのであればIPOやM&Aを考える時期へ突入するでしょう。
シリーズC段階に入った企業の中には、外部から資金調達する必要がない可能性もあります。しかし市場の動きによって、急に資金調達が必要となる可能性も十分考えられるでしょう。そのような場合に備え、資金調達手段は確保しておく必要があります。
そんなシリーズCでの資金調達額・資金調達方法について紹介していきましょう。
資金調達額
シリーズCでの資金調達額の目安は、数億円~10億円以上です。
さらなる事業拡大、もしくは新規事業開拓によって大規模な資金調達が必要になる可能性があります。
複数の金融機関を活用することで、巨額資金を得ることが可能です。
資金調達方法
シリーズCでの資金調達方法は、主に4つあります。
- シンジケートローン
- ファクタリング
- プロパー融資
- 助成金・補助金
シリーズCでは、大型の資金調達が必要になることが考えられるでしょう。
そんな時に活用したいのが「シンジケートローン」です。
シンジケートローンとは、複数の金融機関が協力し合いシンジケート団を組成します。組成されたシンジケート団では、1つの契約書に基づいて同一の融資条件で複数の融資を実行する資金調達方法です。融資契約の手間を省くことができ、一度に大型の資金を調達することができます。
スタートアップの資金調達に注意!2つのポイント
スタートアップ企業が資金調達をする際には、4つの投資ラウンドがあるとお伝えしてきました。各段階ごとに、資金調達の目的や方法が異なるのです。資金調達方法を見直すことができる投資ラウンドですが、資金調達時には注意してほしいポイントが2つあります。
2つのポイントを把握しておくことで、経営者がスタートアップで失敗しがちなポイントを防ぐことが可能です。
- ① ベンチャーキャピタルに注意
- ② 資金調達の長期化に注意
上記2つの注意ポイントについて、詳しく解説していきます。
ベンチャーキャピタルに注意
1つ目の注意ポイントは、ベンチャーキャピタルについてです。
スタートアップのおける資金調達は、スピ―ドとタイミングが大切になります。
ベンチャーキャピタルを事業構築する前から利用しすぎると、シードラウンドの段階で過半数近い株式を外部に持っていかれてしまう可能性があるのです。このような事態になると、経営権を握られてしまう危険性があります。
シードラウンドではベンチャーキャピタル等の資金調達方法を繰り返し利用しない様にしましょう。事業構築をしっかり行い、ステージAもしくはステージBあたりの段階で利用することをおすすめします。
資金調達の長期化に注意
2つ目の注意ポイントは、資金調達の長期化についてです。
資金調達において、出資者探しは事業の検証・実施をストップしてしまうことが考えられます。出資者探しは、経営者本人が行うため事業を実施する時間が削られてしまうからです。創業当初は人員も少なく、経営者本人が居ないと事業が実施できない可能性があります。
このような状況で、資金調達活動が長期化してしまうと事業内容が薄くなってしまうのです。出資者も決まらない、事業内容も薄い・・・では悪循環となることが目に見えています。資金調達の長期化が考えられる場合には、一旦出資者探しをストップして事業の検証・実施を行いましょう。
十分な準備が整った際に、出資者探しを再開することで効果的に事業内容を出資者へアピールすることができます。
まとめ
スタートアップ企業の投資ラウンドについて、詳しく紹介してきました。
各段階において、最適な資金調達方法や使い道は異なります。
ベンチャーキャピタルが投資をする際に用いる投資ラウンドですが、経営者側も投資ラウンドを活用することで資金調達を見直す1つの指標として活用することが可能です。ぜひ参考にしてみてください。
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