ベンチャーキャピタルって、どんな種類があるの?
一言にベンチャーキャピタルと言っても、ベンチャーキャピタルには出資元や投資方針によって様々な種類が存在します。
今回は「ベンチャーキャピタルの種類」について詳しく解説していきます。
どんな企業から投資を受けようか、悩んでいる場合にはぜひ参考にしてみて下さい。
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1:ベンチャーキャピタル4つの種類
ベンチャーキャピタルって気になるけれど、どんな種類があるのかな?
創業したてのベンチャー企業などが自力で株式を公開するのは、とても難しい事です。
しかしベンチャーキャピタルから投資を受ける事に成功すれば、会社の成長スピードアップや株式公開も可能になります。
そんなベンチャーキャピタルの種類は、大きく分けて4つです。
- 公的ベンチャーキャピタル
- 銀行系ベンチャーキャピタル
- 証券会社系ベンチャーキャピタル
- 事業会社系ベンチャーキャピタル
上記4つそれぞれの特徴と、有名な企業を紹介していきます。
1-1:公的ベンチャーキャピタル
公的ベンチャーキャピタルは、公的機関や政府により運営しているベンチャーキャピタルです。
公的機関からの投資は、厳しい要件を満たすことが必要<になります。
ただしその要件を満たすために経営を行う事で事業拡大の可能性が高くなるのです。
有名な公的ベンチャーキャピタルを紹介します。
- 株式会社ケイエスピー
- 東京中小企業投資育成株式会社
- 産業革新機構
それぞれの特徴について紹介していきましょう。
1-1-1:株式会社ケイエスピー
堅実なベンチャーキャピタル、ケイエスピーから投資を受ける事で社会からの信用力アップを期待する事が可能です。
1-1-2:東京中小企業投資育成株式会社
2018年3月末の時点では、投資累計2,235社に及び総投資額は116,332百万円です。
1-1-3:産業革新機構
現在では、オープンイノベーションを通じて次世代の国富を担う産業の育成と創出を基本理念に掲げ運営を行っているのです。
2019年4月末の時点で総投資件数は139件、累計投資額は1兆3120億円にもおよんでいます。
1-2:銀行系ベンチャーキャピタル
銀行系ベンチャーキャピタルは、銀行・地銀・信用金庫の傘下にあるベンチャーキャピタルを表します。
銀行から出向になった社員などが多いため、融資に近い安定感を重視した審査体制である傾向が強いです。
また銀行系ベンチャーキャピタルの特徴は、銀行などグループ各社との連携や顧客接点が強みである特徴があります。
有名な銀行系ベンチャーキャピタルを紹介しましょう。
- 三菱UFJキャピタル
- SMBCベンチャーキャピタル
- みずほキャピタル
上記3つそれぞれの特徴について紹介します。
1-2-1:三菱UFJキャピタル
日本だけにとどまらず、海外への投資実績もありライフサイエンスや製造業に強くなっています。
ベンチャー企業への投資を積極的に行っている三菱UFJキャピタルは2005年度以降、1000件以上の投資実績があります。
累計投資額は500億円以上に及んでいる状況です。
1-2-2:SMBCベンチャーキャピタル
累計投資件数400件以上、投資額は300億円以上の投資実績があります。
1-2-3:みずほキャピタル
投資の対象分野は特に限定されておらず、2017年の投資実績は77社になります。
1-3:証券会社系ベンチャーキャピタル
証券会社系ベンチャーキャピタルは、証券会社傘下にあるベンチャーキャピタルです。
証券会社系ベンチャーキャピタルの中でも、特に有名なベンチャーキャピタルを紹介します。
- JAFCO
JAFCOについて詳しく紹介していきましょう。
1-3-1:JAFCO
参照元:ウィキペディア
以前までは野村グループのベンチャーキャピタルでしたが、2017年に野村ホールディングスと野村総研がJAFCOの株を売却したので事実上独立しました。現在では独立系ベンチャーキャピタルと言われています。
国内最大規模のJAFCOは、投資先のサポートがとても充実しているのが特徴です。
提携先の紹介や、営業・IPO支援などを受けることが出来ます。
1-4:事業会社系ベンチャーキャピタル
事業会社系ベンチャーキャピタルは、投資を本業で行っていない会社の傘下にあるベンチャーキャピタルです。一般的なベンチャーキャピタルだと、投資開始まで1ヶ月前後でスタートしますが事業会社系ベンチャーキャピタルは会社ごとに大きく差があります。
遅い所だと、1年ほどかかる可能性もあるのです。
事業会社系ベンチャーキャピタルから投資を受ける場合には、そういった面にも注意しておきましょう。
有名な事業会社系ベンチャーキャピタルを紹介します。
- サイバーエージェント・ベンチャーズ
- NTTドコモ・ベンチャーズ
- TBSイノベーション・パートナーズ
上記3つの事業会社系ベンチャーキャピタルについて詳しく紹介しましょう。
1-4-1:サイバーエージェント・ベンチャーズ
おもにベンチャー企業やスタートアップ企業を支援している傾向があります。
1-4-2:NTTドコモ・ベンチャーズ
NTTドコモ・ベンチャーズが他のベンチャーキャピタルと大きく異なる点があります。
ドコモ・イノベーションビレッジという学校があり、起業家を育成・シード企業の発掘・ベンチャー企業同士の交流を行う事が可能です。
企業したてのベンチャー企業の社長さんや、これから起業しようと考えている企業にとって嬉しい経営サポートがついています。
1-4-3:TBSイノベーション・パートナーズ
放送関連領域だけでなく、デジタルメディアや流通・プラットフォームなど幅広い事業への投資活動を行っています。
2:2つの投資方針
ベンチャー企業の資金調達に便利なベンチャーキャピタルですが、投資方針には2種類ある事をご存知ですか?
どのベンチャーキャピタルで投資を受けるかにより、投資方針が異なります。
投資の種類を理解し、ベンチャーキャピタルから投資を受ける際には投資方針を気にしておく必要があるのです。
投資方針は主に2種類あります。
- クラシック系
- マーチャント系
簡単に結論をお伝えすると、経営アドバイスなどの支援があるか無いかです。
上記2つの投資方法について、それぞれ解説していきます。
2-1:クラシック系
投資方針1つ目のクラシック系は、出資したベンチャー企業に対して積極的な経営アドバイスや支援を行う方法です。
クラシック系のベンチャーキャピタルは、出資したベンチャー企業が上場後に株式を売却して利益を得るタイプになります。
経営ノウハウが無い場合には、クラシック系のベンチャーキャピタルから投資を受ける方が合っているでしょう。
2-2:マーチャント系
投資方針2つ目のマーチャント系は、経営には関わらないタイプです。
出資後の経営については、口出しをせず黙って成長を見守ってくれるタイプになります。
経営ノウハウが十分あり、あれこれ口出しされるのが嫌なタイプであればマーチャント系のベンチャーキャピタルから投資を受けると良いでしょう。
3:ベンチャーキャピタル3つのメリットと2つのデメリット
ベンチャーキャピタルは、企業したばかりで、まだ信用もない時期に資金を調達する事ができる素晴らしい方法です。
しかし、そんなベンチャーキャピタルにもメリットとデメリットが存在します。
【メリット】 | 【デメリット】 |
・担保/信用に関係なく資金調達が可能 | ・経営の自由度が下がる |
・返済義務が無い | ・ゴールまで責任を全うしなければならない |
・経営サポートがある |
上記3つのメリットと2つのデメリットについて詳しく紹介していきましょう。
3-1:3つのメリット
ベンチャーキャピタル3つのメリットについて詳しく紹介していきます。
【担保・信用に関係なく資金調達が可能】
ベンチャーキャピタルは銀行の様な、担保や信用は関係ありません。
事業の将来性を見極めて投資を受ける事ができ、実績や創業年数に関係なく資金を調達する事が可能です。
【返済義務が無い】
ベンチャーキャピタルは融資ではありません。
あくまでも「投資」なので、ベンチャーキャピタルから受けた資金を返済する必要が無いのです。
【経営サポートがある】
ベンチャーキャピタルの投資方法にもよりますが、会社によっては経営サポートを受ける事が出来ます。
経営サポートを受けたい場合には、2章で紹介したクラシック系のベンチャーキャピタルから投資を受けると良いでしょう。
3-1:2つのデメリット
ベンチャーキャピタル2つのデメリットについて詳しく紹介していきます。
【経営の自由度が下がる】
ベンチャーキャピタルから出資を受けると、出頭株主はベンチャーキャピタルになります。
その為、経営の自由度が下がる可能性があるのです。
またあまりにも事業の成長が著しくない場合には、経営者から外される可能性も十分に考えられます。
【ゴールまで責任を全うしなければならない】
ベンチャーキャピタル側のゴールは「上場」もしくは「事業売却による利益」を得る事です。
ベンチャーキャピタル側も、利益を得られなければ出資した意味がありませんよね。
ベンチャーキャピタルから出資を受けたが、好ましいゴールが出来ない場合は資金回収のために株式を第三者へ売却される可能性があるのです。
まとめ
ベンチャーキャピタルの種類について詳しく紹介してきました。
ベンチャーキャピタルの種類は、主に4種類です。
- 公的ベンチャーキャピタル
- 銀行系ベンチャーキャピタル
- 証券会社系ベンチャーキャピタル
- 事業会社系ベンチャーキャピタル
様々なベンチャーキャピタルがありますが、会社により投資方針などが異なります。
出資を受ける前に、出資後のサポート体制やメリットなどもきちんと確認する必要があるでしょう。
ぜひ参考にしてみて下さい。