資金調達の「デット」を徹底解説!6つの特徴と4種類の資金調達法 

資金調達
資金調達の「デット」ってなに?

上記のように、資金調達のデットについて知りたいとお考えですか?

デットとは、デット・ファイナンス(Debt Finance)の略称であり、誰かから借りる負債(借金)による資金調達方法です。例としては、日本政策金融公庫の制度融資やその他借入全般が当てはまります。

デットファイナンスのメリット・デメリット等の6つの特徴と4種類の資金調達法、デットファイナンスを使うべき2つのケースを紹介していきましょう。後半では、日本政策金融公庫の制度融資について紹介していきます。

1:資金調達「デット」の6つの特徴

デットファイナンス
デットファイナンス(デット)には、どんな特徴があるの?

デットファイナンスには、メリット・デメリットを含む、6つの特徴があります。

  • 資金調達先が豊富
  • 税金を抑える効果がある
  • 返済実績を作ることが可能
  • 負債が多いと取引先からの印象が悪くなる
  • 返済義務がある
  • 利息がある

上記6つの特徴について、詳しく紹介していきましょう。

1-1:資金調達先が豊富

1つ目の特徴は、「資金調達先が豊富」ということです。

デットファイナンスの資金調達先は主に銀行融資等の金融機関や日本政策金融公庫の融資、社債が例に挙げられています。

資金を調達する上で、融資先が豊富にある=選択肢がたくさんある借入条件等)ということです。事業資金を工面する際に有効的と言えるでしょう。

1-2:税金を抑える効果がある

2つ目の特徴は、「税金を抑える効果がある」ことです。

銀行や社債などのデットファイナンス(負債)で資金調達をした場合「利息」が発生します。ただし利息は税務上の損金と計上でき、節税することが可能です。

資金調達する際に、コストとリスクを抑えたいとお考えでしたら、一度検討してみてはいかがでしょう。

関連記事:資金調達コストが安い方法ランキングTOP5!低く抑える4つの秘訣

1-3:返済実績を作ることが可能

3つ目の特徴は、「返済実績を作ることが可能」ということです。

簡潔にいうと、返済実績は金融機関からの「信用」に繋がります。

期日にきちんと返済をした実績を作ることで、将来的に金融機関からの借入がしやすくなるのです。

資金調達の選択肢を広げるためにも、しっかりと返済しましょう。

1-4:取引先からの印象が悪くなる

4つ目の特徴は、「取引先からの印象が悪くなる」ことです。

デットファイナンスは、貸借対照表場で負債と記載されます。

あまりにも負債(借金)が多いと「自己資金比率」が下がり、取引先からの印象が悪くなってしまう可能性があるでしょう。

きちんと返済期日を守ることが大切です。

関連記事:全ての社長と未来の起業家に捧ぐ!経営を助ける資金調達方法全24選

1-5:返済義務がある

5つ目の特徴は、「返済義務がある」ことです。

デットファイナンスはあくまでも「借金」ですので、決められた期日にきちんと返済する必要があります。

銀行融資の場合は月々の返済があるため、借りる前に「返済プラン」を立て融資金額を見積もることが大切です

1-6:利息がある

6つ目の特徴は、「利息がある」ことです。

デットファイナンスは、「元金」に加え「利息」の返済義務があります。

返済を怠らないためにも、事前に年利や利率等の細かい見積もりをすることが大切です。

資金調達コストをなるべく抑えたい場合は、返済義務のない国からの「助成金」や「補助金」、日本政策金融公庫の「制度融資」等の検討も有効的と言えるでしょう。

2:【デットファイナンス】4種類の資金調達法を紹介

資金調達
デットファイナンスってどんな資金調達法があるの?

デットファイナンスには、4種類の資金調達方法があります。

  • 銀行借入
  • シンジゲートローン
  • 私募債発行
  • 社債発行

それでは上記4種類の資金調達法を詳しく見ていましょう。

2-1:銀行借入

1つ目の資金調達法は、銀行借入です。

銀行借入とは銀行融資を指し、例として「一般ローン」「事業者ローン」「住宅ローン」などの目的別のローンがあります。

参考URL:借入とは何か?借入先の区分と種類は?|株式会社オリエントコーポレーション

2-2:シンジケートローン

2つ目の資金調達法は、シンジケートローンです。

シンジケートローンは「協調融資」とも呼ばれ、複数の金融機関が共通の条件で融資を行う融資制度を指します。

融資契約の際の手間を省き、受け取れる融資金額の拡大が可能です。

関連記事:日本政策金融公庫の3つの強みと事業者を支えるサービスのまとめ

2-3:私募債発行

3つ目の資金調達法は、私募債発行です。

私募債発行は、募集人数50人以下の少人数に発行する「社債」を指します。

私募債の特徴は、社債よりも手続きが簡単にできることです。

こちらは中小企業やベンチャー企業等でも私募債を発行することが可能なので、ぜひ1つの資金調達法として把握しておきましょう。

関連記事:知って得する資金調達!銀行の融資以外で現金を得る6つの方法

2-4:社債発行

4つ目の資金調達法は、社債発行です。

社債発行とは、企業が債券を発行して資金調達を行うもので、私募債よりも大規模なものとなります。

「普通社債」「劣後社債」「永久債」「新株予約権付社債」の4種類が企業が発行できる社債です。

中でも、新株予約権付社債は社債に新株予約権を付加することで、融資条件を緩和してもらいやすくなるので資金調達に向いていると言えるでしょう。

関連記事:【2019年12月版】資金調達15種類まとめ!方法別メリットとデメリット

3:デットファイナンスを使うべき2つのケース

ケース
デットファイナンスってどんな時に使えばいいのかな。

上記のように、デットファイナンスを使うべきケースが知りたいとお考えではないですか?

デットファイナンスを使うべきケースは2つあります。

  • 経営ビジョンがはっきりしている場合
  • 不確実性が低い場合

さっそく上記2つのケースを解説していきましょう。

3-1:経営ビジョンがはっきりしている場合

1つ目のケースは、経営ビジョンがはっきりしている場合です。

デットファイナンスは融資を受けた時点で返済金額が確認でき、今後の事業資金の割り当て等の計画が立てやすくなります。

やりたいことや今後の経営ビジョンがはっきりしている場合には、デットファイナンスが向いていると言えるでしょう。

関連記事:資金調達で悩むベンチャー企業へ贈る!7つの方法とタイプ別の選び方

3-2:資金用途の不確実性が低い場合

2つ目のケースは、資金用途の不確実性が低い場合です。

例として、融資等の入金時期と出勤時期のギャップに備えた資金調達(つなぎ融資)が挙げられます。

デットファイナンスは融資後に返済金額が明白になるので、資金調達におけるリスクをコントロールしたい場合におすすめです。

4:資金調達コストが安い!日本政策金融公庫の制度融資

資金調達コスト
資金調達コストが安い融資はないのかな。

上記のように、コストを抑えたデットファイナンスをお探しですか。

金利の低い資金調達先をお探しであれば、「日本政策金融公庫」がおすすめです。

日本政策金融公庫(以下、日本公庫と称す)の制度融資は、金利が安く中小企業やベンチャー企業でもお金を借りやすい融資となっております。

4-1:日本公庫の金利一覧

日本公庫の中小企業事業の金利は以下の表になります。

貸付期間
主な貸付利率
基準利率 特別利率 特別利率 特別利率
5年以内 1.11% 0.71% 0.46% 0.30%
5年超 1.11% 0.71% 0.46% 0.30%
6年以内
6年超 1.11% 0.71% 0.46% 0.30%
7年以内
7年超 1.11% 0.71% 0.46% 0.30%
8年以内
8年超 1.11% 0.71% 0.46% 0.30%
9年以内
9年超 1.12% 0.72% 0.47% 0.30%
10年以内
10年超 1.13% 0.73% 0.48% 0.30%
11年以内
11年超 1.15% 0.75% 0.50% 0.30%
12年以内
12年超 1.17% 0.77% 0.52% 0.30%
13年以内
13年超 1.19% 0.79% 0.54% 0.30%
14年以内
14年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
15年以内
15年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
16年以内
16年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
17年以内
17年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
18年以内
18年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
19年以内
19年超 1.30% 0.90% 0.65% 0.40%
20年以内

尚、返済が遅延した場合の割合は、8.9%となるのでしっかりと返済できる計画を事前に立てておきましょう。

参考URL:中小企業事業の利率|日本政策金融公庫

まとめ

デットファイナンスの6つの特徴4種類の資金調達法、デットファイナンスを使うべき2つのケースについて紹介させていただきました。

デットファイナンスは、「負債」ですので返済できるプランを明確に立てましょう。

資金調達の際にかかるコストを安く抑えたい場合は、日本公庫の制度融資がおすすめです。